第69話
中間side
デビュー会見が無事終わって、デビュー曲を披露するまでの時間、濱ちゃんとトイレに行って部屋に帰ろうとしたら、いろんな記者さんに遭遇した。
しげと望が病気やってことは明かしてないけど、そのことを知ってる人だってもちろんいて、
みんな、同情の目で僕らを見た。
ーせっかくデビューできたけど、これから大変そうだね。
ー大変だろうけど、まぁ頑張って。
僕にいたっては最年長ということもあってか、
ーお世話大変だね、でもまぁ、所詮メンバーなんだからあんまり関わりすぎにようにね
なんて言われた。
きっと相手は、気を遣ってくれたんやろう。
周りにはきっと、そう見えるんやろう。
出来ないことがたくさんあって、
僕らがやらなきゃいけないことだってたくさんあって、
大変だ、苦労してる、可哀そう、
そう見られてしまうのは当然かもしれない。
でも、そう思うのは、しげや望に、メンバーに、本当に失礼だと思うんや。
確かに、僕らはお互い支え合わなきゃやっていけないけど、
でも、僕らは誰よりも、
しげと望に助けられてる。
可哀そうなグループ、
そう見られるかもしれへん、
でも、
俺は、1番幸せなグループやって、
そう思うよ。