[しばゆー視点]
トミーという男、なかなか面白い。
何言ってもつっこんでくれるのでついつい珍棒までだしてしまった。
それを目撃した女子が先生はおろか、他クラスであるはずのあやなんにまで報告したのだ。
おのれ許さんこの女子。
バスの中で怒鳴られるはLINEでも怒られるは散々だ。
そんな中、1つ気になったことがある。
ゆめまるが吐きそ…おっと、それは違くて。
りょうとあなたの会話だ。
椅子と椅子の隙間から見ているとやたら距離が近くてあなたの耳元でにこにこしながら喋ったり、すごい近い距離で顔を覗き込んでる。
あなた「やめて。」
りょう「なんで?友達やん。笑」
あなた「てつやくんとかにこんなことしてるとこ見たことないもん。」
りょう「全然名前で呼んでくれんから意地悪したくなる。」
ん?名前で呼んでもらえなくていじわるしてんの君?
え?理由可愛すぎん?その慎重でそういうこと言うんだ?
しばゆー「トミー!」
トミー「なんで小声だよ!」
しばゆー「違う、ここ突っ込むとかじゃなくて。」
トミー「内緒のやつ?」
しばゆー「うん、内緒のやつ」
トミー「なに?」
しばゆー「りょうってさ、あなたのこと好きなのかな?」
トミー「うん、そりゃそうじゃない?」
しばゆー「やっぱり?」
トミー「だって意地悪すぎるもん。」
りょう「ねーえ?俺の話してない?」
トミー「やっべ、イタリア人に気づかれたぞ!」
りょう「誰がイタリア人だ!笑」
しばゆー「トミーの声がでかすぎ。ちょっと罰ゲームとして珍棒だしてみて。怒られるから。」
トミー「そんなのおかしいじゃん!」
しばゆー「騒ぐな騒ぐな、バスだぞここ?」
トミー「さっき珍棒だしてたやつに言われたくねぇな。」
しばゆー「ちょっとゆめまる吐きそうすぎじゃない?嗚咽大臣なの?」
ゆめまるは1ヶ月以上、あだ名が嗚咽大臣になることをまだ知らない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!