第13話

13 Zero
32
2026/02/19 02:56 更新
深夜、庁内に泊まり込みで仕事をする。

仕事の合間で静かな室内。

何気なくスマホを開く。

トレンド欄には

期待の新星

一瞬、指が止まる。

(……何だ?)

開いてみると、

〈新人Vがトレンド1位〉
〈Midnight LOg完成度やばい〉
〈甘城澪って誰〉

その名前で、もう一度止まる。

澪。

珍しくはない字だ、そう思おうとする。

だがなぜか、引っかかる。

切り抜きを開く。
甘城 澪
甘城 澪
星は、光っているから見えるのではなく
落ち着いた声、静かで無駄がない。
甘城 澪
甘城 澪
誰かが見上げるから星になる。
呼吸が、一瞬だけ止まる。

(……似ている。)

何が、と明確に言えない。

声の抑揚か、
言葉の選び方か、それとも
“間”か。

画面に映る名前は

甘城 澪。

指が無意識に、プロフィールを開く。

説明欄には

“あなたの真夜中を、少しだけ記録させてくださいね。”

視線が止まる。

“澪”

字を、なぞる。

(……偶然、だろう。)

合理的に考えれば、そうだ。

だが、なぜか胸の奥が、ざわつく。

アーカイブを開いてみる
甘城 澪
甘城 澪
目立つ意図はありません。
落ち着いた声。
甘城 澪
甘城 澪
“期待”という言葉は重いので。
 裏切らないように、続けます。
画面の向こうで、微かに視線が揺れる。

その揺れに、覚えがある。

(……まさか。)

否定する

だが、もう一度、名前を見る。

『澪』

そして、

プロフィール欄の誕生日。

『11/12』

完全に、止まった

画面の中で、三人が言う。
三人
おやすみなさい。
スマホを持つ手が、わずかに強くなる。

『探さないでください。』

あの日の言葉が、蘇る。

外出が許可されたあと、最初に行ったのは家だった。

ドアを開けると家にあるはずの温度が消えていて

あなた、ただいまと言いながら部屋へ入れば

置き手紙、ただ一言で『探さないでください』

あなたのことだから、何も心配はしていないけれど

急にいなくなったことで喪失感は強かった。
元気に、してるといいな
Akaribashi.
最近更新早いのは学級閉鎖だからです。
インフルには皆様もお気をつけください。

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