第6話

# 全ての未来にさよならを
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2026/01/30 11:00 更新


狛枝凪斗
……いた

狛枝凪斗
こんなところにいたら風邪ひくよ

あなたの名字あなた
…うるさい


彼は自分の着ていたブレザーを私にふわ、と羽織らせた。
…なんで急に優しくするの。

あなたの名字あなた
…私に構ってる暇があるなら、
才能ある本科のみんなのところに行けば?

あなたの名字あなた
キミはみんなの【才能】が大好きだもんね



狛枝凪斗
____それは違うよ、あなたの名字さん



狛枝凪斗
ボクは絶対的な希望を見たいんだ。
…才能を持つ人がそれを体現しているというだけで__

あなたの名字あなた
あーあー、聞きたくもない

あなたの名字あなた
あんたが見てるのはどうせ「才能があるかどうか」なんだから

あなたの名字あなた
……私にだって、きっとそれだけだ


気付けば、ぎゅっと口を噤んでいた。
まるで子供みたい__そう途中で気づいて、やめたくなる。

狛枝凪斗
…ふ、


狛枝くんは急に頬を緩める。
私の顔がよっぽど変なのか、つん、と指で頬をつねり始めた。

あなたの名字あなた
…ねえ狛枝くん、今自分がどんな顔してるかわかってる?

狛枝凪斗
…え?


なんでそんなことを聞くのか、という顔。
私は素早い仕草でスマホを取り出して彼の間抜けズラを撮った。

あなたの名字あなた
っ…あはは!すっごい間抜けな顔。


彼がずい、とスマホを覗き込んできて、
みるみる耳を真っ赤にする。

狛枝凪斗
…消してくれないかな


今にも消え入りそうな声。
だが、私がそれを聞くはずもなく。

あなたの名字あなた
やだ

狛枝凪斗
消して

あなたの名字あなた
やだね


彼は私のスマホを奪おうと手を伸ばしてくる。
だが私は軽々とそれを避けて彼をおちょくった。

あなたの名字あなた
私を馬鹿にするからそうなるんだよ

狛枝凪斗
うるさい…っ!


彼の真っ白な肌によく似合う赤。


なぜかさっきまであったはずの怒りは消え失せていた。


狛枝凪斗
( キミが幸せなら、ボクはもうどうなったっていい )

狛枝凪斗
( 彼女の才能で死んだって、構わない )





ぜひぜひ

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