彼は自分の着ていたブレザーを私にふわ、と羽織らせた。
…なんで急に優しくするの。
気付けば、ぎゅっと口を噤んでいた。
まるで子供みたい__そう途中で気づいて、やめたくなる。
狛枝くんは急に頬を緩める。
私の顔がよっぽど変なのか、つん、と指で頬をつねり始めた。
なんでそんなことを聞くのか、という顔。
私は素早い仕草でスマホを取り出して彼の間抜けズラを撮った。
彼がずい、とスマホを覗き込んできて、
みるみる耳を真っ赤にする。
今にも消え入りそうな声。
だが、私がそれを聞くはずもなく。
彼は私のスマホを奪おうと手を伸ばしてくる。
だが私は軽々とそれを避けて彼をおちょくった。
彼の真っ白な肌によく似合う赤。
なぜかさっきまであったはずの怒りは消え失せていた。
ぜひぜひ











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。