これが、私の過去かな…。私は両親お金欲しさに売られたの。ただ、それだけ。
そのような、過去が…。
聞いていいものじゃなかったでしょ?
暗い表情をしている皆に向かってあなたは笑って言った。
そんな過去がありながら…なぜ、ブラック本丸の修正を…?
同じ境遇の貴方たちを助けたいと思ったから。それに…。
それに?
…それに…ブラック本丸の修正をしていれば…いつか…自分を殺してくれる誰かが…現れるかもって…。
…!!
まぁ…結局…貴方達に人殺しのレッテルを貼って欲しくないから抵抗しちゃうんだけどね。
あなたはそう言って笑った。
だから、いつも死ねずに終わっちゃうんだよね。
あなた様…。
結局死ねずに終わっちゃうけどさ…両親に嫌われ、売られ、化け物と呼ばれる…これが私の運命なんだと思う。
なら、その運命とやらを僕たちが切っちゃお~。
え?
それは名案だな。兄者。
私達には貴方が必要です。出来る事なら…もう死にたいと思ってほしくないです。
…。
すでに貴方は此の本丸の主です。貴方は必要な方です。
あなたよ。すぐにとは言わん。少しは心の内を話して欲しい。
君は俺達の事はいち早く気付き寄り添うだろう。だが…自分の事を後回しにしてしまう気がする。それでは、いずれ、君が壊れてしまう。そうなって欲しくないんだ。
運命を断ち切る。髭切さんの言う通りだね。あなたちゃんの言う運命なんて、私達で切ってしまおう。
あなた様が此の本丸の主になった時点で、貴方を護ることは決まっていますしね。
貴方達も物好きね。こんな、厄介な審神者を認め、護るなんて…。
あなたは嬉しそうに笑いながら言った。
あなたが言ったんだからね。審神者の役目は本丸と俺達を護る事だって。なら、俺達は歴史と主を護るのが役目でしょ。違うの?
…。
少しは俺達のことを信じてくれ。君には驚きと笑いの日々を届けよう。
…ふふ。何それ。
鶴丸の言葉にあなたは笑った。
鶴らしい言葉だ。
あなた。大丈夫ですよ。私達はあなたが生きてきた時間を否定するつもりはありません。ただ、あなたが私達に与えてくれたことを…私達もしたいだけですから。
…そっか。そうなんだね。…ありがとう。
少し困ったように笑うあなたに鶴丸たちも笑った。
あなたー!いっしょにあそびましょう!
今剣に呼ばれて、中庭を見ると短刀たちがあなたを見ていた。
…今行く!!…行ってくるね。
あなたはそう言って、鶴丸から離れると中庭に走って行った。
これからどうするつもりだ?
うむ。ひとまずは、近侍を2人つける。何かあった時にも対応が出来るようにしておいた方がよいだろう。
それが一番いいでしょうね。
ならさぁ、近侍の1人は鶴丸で固定しちゃえば?
は?
確かにそれはいい案ですね。鶴丸殿が適任でしょう。
おい…。
なら、もう1人は日替わりか週替わりでどうだ?
週替わりくらいがいいんじゃないのか?
ちょ…おい。
そうですな。鶴丸殿がいれば、弟たちでも近侍が出来そうですしね。
ちょ…おい!俺の話を聞け!
何?
鶴丸は1人置いてけぼりになっており、声を荒げた。
何じゃないだろ。何で俺なんだ?って言うか、君ら勝手に話を進めるんじゃない。
はぁ?だってあなたのことを1番に信じたのは鶴丸じゃん。俺らより断然あなたのこと知ってるでしょ。
加州の言う通りだな。鶴丸以外に適任はいない。
そうかもしれないが…。
そういう事だから。
君なー。って言うか、それで皆は納得なのか?
むしろ、不満はないだろう。
君らが問題ないのならいいのだが…。
皆の反応に鶴丸はそう言った。
あなたにはこの短期間で多くのことを教えてもらった。さて、これからは俺達もあなたにあなたの知らないことを教えて行こうじゃないか。
三日月はそう言いながら中庭で遊ぶあなたを見ていた。
🌸19話終了しました。とっても遅い更新ですが、これからも暖かく見ていただければと思います。🌸
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