木の葉の舞い散る秋になった
塔子さんと一緒に買い物に行った帰りに見覚えのある後ろ姿が見えた
その後ろ姿はあなただった
あなたは名前を呼ばれたためか振り向いた
塔子さんと滋さんには前に従兄弟が引っ越してきたと話していた
でも実際に会うのは初めてだ
塔子さんはあなたに自己紹介をしあなたも自己紹介をした
するとあなたが何かを思っているように見えた
声をかけるとハッとした表情をし俺と塔子さんを見た
あなたは塔子さんの誘いを断り狐桜を抱きかかえ走り出してしまった
塔子さんは走り出してしまったあなたを見てそう言った
そう言い俺たちは家に帰る
家には滋さんがいる
荷物を片付け塔子さん・滋さんと一緒にお茶を飲んだ
俺はあなたの話をした
両親が早くに亡くなっている事
親戚中をたらい回しにされた事
そして今は森の奥の親戚の家で預かってもらっている事
その親戚に暴力を振るわれてしまっている事
滋さんの話を聞いた
その人は昔腕っぷしの強さで注目を浴びていたという
でもだからといって冷たい人ではなく子供好きのとても優しい人だったらしい
滋さんもその当時よく一緒に遊んでもらっていたと
しかし滋さんも大人になった頃ある事件が起こった
その人の奥さんと幼い子供が事故で亡くなってしまったとの事だった
それからは酒浸りになり酔った勢いで人を殴ったり物を壊したりするようになってしまったのだと
滋さんは大人になり最初の頃は見かけ話をすることもあったそうだが
事故があった後は見かけ話をしようとしたが機嫌が悪く何度も怒鳴られたこともあるらしい
それでも会えば話をしようとしたらしいが
相手が一方的に喧嘩腰になり殴られ
止めに入ってくれた人に
この人とはもう関わり合いにならない方がいいと
言われその後はもう見かける事もなくなったと
居候のみで図々しいかもしれない
でも俺はあなたを
俺の言おうと思っていたことを塔子さんに言われてしまった
滋さんは少し難しそうな顔をした
こうしてあなたの意見を聞きできるのであれば……
例え出来なくてもどうにかしてあなたを引き取ろうと
本人は知らないまま話は決まった
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。