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第3話

大切な約束
7
2025/09/06 12:59 更新
猛暑でも大雨でも365日同じ場所に
お婆さんがいる
”花、買いませんか?“
段ボールを置いて
ずっと座っている
2年間誰も買うのを見ていないのに
ホームレスかと思うくらいボロボロで
ある日の帰り道
気になった俺は
主人公
一本ください
お婆さん
ありがとうございます
俺は気になっていたことを聞いた
主人公
何年もここにいますよね
お婆さん
ええ
約束がありますから
主人公
約束?
お婆さん
息子との約束です
遠い目をしながら話し始めた
◯◯年前…
息子
大きくなったらお母さんと一緒に
お花屋さんをするの
それで花屋を始めたんだけど
経営がうまくいかなくて
息子はとびだしていったわ…
それで閉店したんだけど
主人公
でもまだ売ってますよね
目を潤わせて言った
お婆さん
息子と約束したの
5年間は頑張ろうって
お婆さん
あと半年で5年なの…
主人公
その息子さんは今どちらに?
お婆さん
わからないわ…
主人公
そうなんですね…
お婆さん
聞いてくれてありがとうね…
なんとかしたくて
俺は毎朝買うようになった
でもある日の朝
お婆さんの顔色が悪くて
主人公
大丈夫ですか?
お婆さん
ええ…大丈夫…
次の瞬間
お婆さんが倒れて
俺はすぐに救急車を呼び
お婆さんは運ばれた
看護婦
ご家族の方ですか?
主人公
いえ…俺は
主人公
でも息子さんがいるんですけど
音信不通で…
病室でお婆さんを見守っていると
お婆さんは目を開けた
お婆さん
あなた…
まだいてくれたの
主人公
当たり前じゃないですか
お婆さんは涙を流しながら
お婆さん
毎朝花を買ってくれて…
本当の息子が帰ってきたみたいで
幸せだった…
主人公
お婆さん…
俺も涙が止まらなかった
主人公
俺こそありがとうございました
お婆さんのおかげでお花を好きになった
お婆さん
ありがとう…
お婆さん
本当にありがとう…
そして…
お婆さんは安らかに息を引き取った…
それから1ヶ月後の秋
俺はあの場所に立っていた
主人公
花、買いませんか
お婆さんが果たせなかった
息子との花屋の夢を
俺が叶えることにした
でもそれだけが目的じゃなかった
ある日の夕方
見覚えのあるような顔の男性が現れた
よく見たらお婆さんと似た顔立ちの
男性
あの…ここで、母が

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