私は動揺した。
だって、“桃桜花姫”って呼ばれたから。
まだ、私の事を桃桜花姫って呼ぶのは彼ぐらいだ。
何度も言ってるんだけどなぁ。
そう思いながら、回りに誰も居ないのを確認した。
誰も居なかったから、内心胸を撫で下ろした。
居られてしまっては困るからね。
そう思いながら彼に問いかけた。
真剣に、彼は『知ってる』と答えた。
ほんとに彼は何を考えてるのかわからない。
知ってるなら、やめて欲しい。
もう、私は国の花なんかじゃないし。
嫌われものだから_。
そんな気持ちを押さえながら叫ぶように言った。
そう私の目をしっかり見て言う彼は眩しかった。
そして、彼の眼差しはとても優しかった。
私の事をほんとに尊重してる様に言ってくれた。
口では、嫌々そうにいったけど。
内心嬉しかった。
家族以外でこんなに褒めてくれる方なんて、私にはもう居ないから。
ほんとに、嬉しかった。
彼は、そう輝いた笑顔で言った。
やっぱり、何を考えているのか分からないけど…。
からかいながらも私の事は大切にしようとしてくれている。
その気持ちは、やっぱり彼の目から伝わってくる。
ニコッともう一回笑いながら、彼は話し始めた。
彼は、駄々を捏ねる子供みたいに、呆れた様に言い捨てた。
でも、その言葉はどんなに罪深い物だと思っているのか、心配になった。
今、狂犬姫はもう国の花。
そんな彼女を侮辱する言葉を言ってしまえば、
立場がどうなるか分からないほどの影響を受けることになる。
でも、彼はこの事を理解しているだろう。
彼はそんな知識のない人間ではない方だから。
そんなことを思いながら宥める様に言い返した。
その事実が不快かの様に言った。
その言葉を聞いた瞬間、不味いなって感じた。
このままでは、誰かに聞かれてるかも知れないし、狂犬姫も可愛そうであろう。
そう思い、私は声を張り上げて怒るように言葉を発した。
その私の言葉を聞いて…
彼は、反省する顔をすることもなく、驚くこともせず、ただ笑っていた。
でも、可笑しいから笑っていたわけではなくて…
最初から分かっていたように笑った。
そして、次にきた言葉は、私を褒める言葉だった。
その言葉を聞いた瞬間、はめられたそう思った。
最初から私がこう言うのは彼は分かっていた。
だから、言わせる為にわざと太陽姫を侮辱する言葉を吐いたのだろう。
でも、何のために?
そう思っていたら彼が自分から答えを出してくれた。
私には、国の花がお似合いだって言いたかったんだろう。
でも、私はそんな言葉を否定するから少しめんどくさいやり方で認めさせようとしたのだろう。
ニコッと彼の微笑みを見て、言葉では冷たい言い方をしたけど…
顔の口元は緩んでいるだろう。
頭では、『ほんと困った人笑』。
そんな言葉が溢れでてきた。
彼は少し弱々しい声で私の名前を呼んだ。
それに釣られ、私も優しく返事をした。
まぁ、普通は疑問に思うよね。
どう考えてもこの道を選ばなかった方が旗から見れば良かった気はするだろう。
でも、実際にあのまま訴え続けれは、この国に居れるかはわからないし、虹桃家の皆様に罵倒され心がずたぼろになっていただろう。
それなら、今のこの結果の方が良かったと自分の中で感じる。
今は、毎日何かしら言われるけど…
私には御姉様達が居ますし、わざと悪役をやってるから嫌われるってのも納得できるから。
そう言うほぼ逃げている理由で、今の道を選んだ。
それに自分の為ではなくても…
私の中での一番の理由は、この理由だと思う。
私、一人の犠牲で、2人が輝ける。
利益があって特だと思う。
それに今は皆様幸せそうだ。
嫌われるからって不幸って訳でも無いし、ほんとにこの道が正解だったであろう。
それに私がほんとに、“国の花”であるならば、こう言う道も悪くないだろう。
最後は、誰かのために散ったのだから。
そんな、私の答えを聞いて…
彼は、寂しそうな目をしながら、私らしいと言った。
彼は、この道を良くは思ってないのだろう。
心優しいし人だから、きっと私には昔みたいに輝いて欲しいのだろう。
輝いていた頃の私の事を凄く褒めてくれていたから。
彼の心情は…びっくりするほど、目から凄く伝わってくる。
そう思いながら、逆にずっと気になっていたことを言ってみることにした。
そう聞くと、彼は微笑みながら、即答した。
待たしても愛しい者を見つめる目で私の事を見ていた。
好きだなんて…。
照れ臭い言葉だと思う。
そんなことを思いながら、心ではほわほわしている気持ちに包まれた。
嬉しかったんだと思う。
彼は裏に何かあるかのように、話して笑った。
その顔はなんとも自然に見えるようで不気味な顔だった。
彼にしては珍しく、分かりやすい裏があるようだった。
こう言うことで、私を誘導しているようだ。
まぁ、この発言から、一緒に真相を探りたい。
そのことのために誘導したいんだろう。
でも、私はもう真相なんか知りたくない。
もう、ずっといってる通り私はこの道で生きていくんだもの。
それに、真相を知ろうとするのに、恐怖を感じる。
何故かはわからないけど、何時も思う度に背筋が凍るような感覚に教われる。
本能的に知りたくないのだろう。
だから、私は声を張り上げて、彼の話を遮った。
そう、流石だなと言う顔をしながら彼は笑った。
何年一緒に居ると思ってるのだろう。
でも、そんな彼を憎めなくて、私も微笑んだ。
でも、次に彼が放った言葉は衝撃的だった。
彼が、さっき珍しく分かりやすい様に誘導したのはこのためだったのかとびっくりした。
流石と言う言葉しか出てこなかった。
やっぱり彼の方が一枚上手なのかもしれない_。
と、改めて感じた。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。