第112話

story.93
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2024/05/27 11:47



お前さ、猫被んのやめたら?キモい

あの日、初めて投げ掛けられた『罵倒』に衝撃を受けた

いつもどおり、何気なく過ごしていた筈なのに
何故か、彼奴には気づかれていたらしい
お嬢様かなんか知らんけど
私の隣でヘラヘラすんのやめてくれん?
気ぃ悪い

唐突に始まった席替え
数合わせで、女の子と隣になったけど

その風貌は何時も私の周りを彷徨くのとは違う様だった

野木沢 杏利
野木沢 杏利
…懐かし、

気づけば社長室のソファにいて
夕暮れの太陽が顔に掛かって目が痛い

…どうするのが、正解なんだろう

柄にもなく、自分の考えも纏まらない
例のパーティであんな騒動が起きた矢先

こんな”事態”になるなんて、予想もしてなかった
野木沢 杏利
野木沢 杏利
…狙ってた…のか……
野木沢 杏利
野木沢 杏利
最悪

5年以上も前の話

…今更ぶり返されたもんだから
対応も出来ないし、…何より彼奴等のストレスになる

何年振りかに着る、レースのワンピースも
今となっては脱ぎたくて仕方がない

…『家から失踪した社長令嬢』とか

この会社の専属マネには不名誉以外の何物でもないのに
自分に伸し掛かる過去の選択が

嫌にでも脳内にチラついて頭が痛い
野木沢 杏利
野木沢 杏利
…弱小企業のくせに
野木沢 杏利
野木沢 杏利
こんな時に絡んでくんなやマジで…

遥か高い天井に浮かび上がる

自分を見捨てた父の面影に毒を吐いて
同時に、『許嫁』とか馬鹿らしい彼奴にも嫌気がさす

何が許嫁だよ。弱小同士の癖に

行き場のない苛つきを抑えようとしたその時
無機質な着信音が、その一室に木霊する

スマホを覗き込むと、そこにはやはり彼奴の名前
野木沢 杏利
野木沢 杏利
…タイミング、おかしいやろ
野木沢 杏利
野木沢 杏利
ピッ)
野木沢 杏利
野木沢 杏利
もしもし?

(なまえ)
あなた
“エッ、不機嫌…”
(なまえ)
あなた
“てかお前、今会社いるんマジ?”
…なんで、情報が此奴には筒抜けなんだろう←
キモ。カメラでも仕込まれてんのかな(濡れ衣)
野木沢 杏利
野木沢 杏利
居るけど…
(なまえ)
あなた
“ハァ!?
マジで言ってんお前…今日有給とってたやん”
野木沢 杏利
野木沢 杏利
用事も終わったから、念の為来てやってんだよ
(なまえ)
あなた
“用事?なんの?”
野木沢 杏利
野木沢 杏利
……

あなたは、私に許嫁が居た事も知ってる

けど、『綺麗に破談』したと昔に言ってたから
その存在が出て来ている事には気づいていない

…言うべき?…かも分からない

ロボロ
 なぁっ、もう!!馬鹿シャオロン!!
シャオロン
んふww 雑魚乙マジでェ!!!!!
ロボロ
っぅああ”ッ、 トントン”んん……!!(泣)
トントン
苛めんなっつってんやろシャオカス

(なまえ)
あなた
“お前等うっさいまほんまに!?!?()”
(なまえ)
あなた
“ごめん杏ちゃん、なんか言った?”



















やっぱり言えない




この家族を、壊すかもしれない
ようやくあなたが見つけた、『本当の家族』


壊したくない。何がなんでも守りたい
野木沢 杏利
野木沢 杏利
…いや、やっぱなんもない
(なまえ)
あなた
“…?そう?”
(なまえ)
あなた
“てか、用件終わったなら、今から家来れば?
最近酒大人買いしたし、めちゃめちゃあんねんけど”


野木沢 杏利
野木沢 杏利
いや、いいわ。今日は忙しい
(なまえ)
あなた
“まさか仕事する気?
そろそろ私が捕まんねんけど”
野木沢 杏利
野木沢 杏利
…まぁ、ちょっとあるんだわこちとら
(なまえ)
あなた
“社畜すぎて笑えんわそろそろw”

(なまえ)
あなた
“まぁ助かってるから口は出さんけど…
 死なん程度にやってな。頑張れ”
野木沢 杏利
野木沢 杏利
うん、ありがとう









社畜でもいい






お前が、今の状況を望むなら







お嬢様の肩書きなんかゴミも同然



















野木沢 杏利
野木沢 杏利
…所詮、マネージャーやし
駄作小説爆誕マシーンあお
駄作小説爆誕マシーンあお
不穏を出す(匂わせ
絵にゴミが多いのはご愛嬌(無茶)
駄作小説爆誕マシーンあお
駄作小説爆誕マシーンあお
ゴリゴリBLのイラスト垢作ったものの
承認欲求が止まることを知らな過ぎて、そのうち此処に載せそうな気がしてならない(自白)

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