合コンの次の日
仕事でハナに木全さんとの事を聞かれて
何も無かったと言ったら肩を落とされたけど
話していて楽しかったのは確かで
少し気持ちが軽かった
それは自分の中で大きな変化で驚いたことだったのだ
あれから2週間近く立った頃
仕事で親会社との共同制作があってその担当だったため外に出ていた
その帰りで仕事に戻ろうとしていた時
後ろから誰かに声をかけられた
吃驚して後ろを見るとそこには木全さんの姿が
木全さんの反応が面白くて頬が緩んだ
やっぱりこの人面白いなーって思って
案内してくれて着いた場所は想像していた以上にお洒落で素敵なお店だった
食べる事好きなだけあるなって
凄くセンスが良くて、彼とは違くて、、
ううん、そこが木全さんのいい所なんだろうな
そう思ったら自然とそう思えて
横にいた彼に視線を向けると
不思議そうに私を見詰めていた彼と目が合った
そう彼に言ってみては笑顔になって少し嬉しくなった
それから世間話をしたりお互いの話をしたりしてカレーを食べた
美味しかったと言ってくれるのかまた不安だったのか分からないけど
私の言葉に嬉しそうに喰いついては
そんな自分に恥ずかしそうに控えめになったり
感情性が豊かなんだなと思って
又頬元が緩くなった
天然なのかそんな言動に笑ってしまう
まだ緩む頬元を抑えて彼を見る
そのまま二人で話し乍帰って丁度分かれ道になった
急な出来事に思わず吹き出してしまう
今日は木全さんといると頬が緩む事が多かった
自分の名前でネタを言うなんて
ギャグとか好きそうなのも、得意なのも
全部、、全部、、
〝彼に似ている〟
無意識に比べては脳裏をよぎるその言葉
最低なのも大概にした方がいい、、
照れ臭そうに笑った貴方に又もや笑みが零れそうになって
それだけ言って私は背を向けた
彼に呼び止められ後ろを振り返る
そう言って彼に近づけば嬉しそうにスマホを取りだして私に笑顔を向けてくれる
その笑顔を見て何だか私も嬉しくなった
そのまま仕事に戻ってさっきまでの事を思い出す
また、彼と比べてしまった
比べること以外に私にできることないの?
あんなに優しくていい人なのに
私がこんなんじゃ、絶対いつか、、いつか傷つけてしまう
比べるのはやめて、木全さんとは慎重にいけたらいいのかな、
私にとって何が正解なのかな
分からない、、分からないよ、、――、、
やっぱり会いたいや、まだ好きだよ、忘れたくない
でも、木全さんと居る時の自分は凄く楽だった
素で笑えて素で楽しめる
まるで、彼といるみたいで
そのまま仕事を終えて家に帰ると
1件の通知を知らせるべく液晶画面が光った
“翔也”の文字
木全さんだ
―メッセージ―
すると直ぐに既読がついて返信が返ってきた
そこでやり取りは終わり、
私と行きたい所ってどこなんだろうと
気になりつつもご飯の準備を、始めた
𝐧𝐞𝐱𝐭…𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。