あれは … 半年前かな 、
※ 彼 ら は 数 学 の 点 数 で 競 っ て い ま す (
⤴︎ 2 9 点
⤴︎ 2 8 点
れるとは幼馴染で 、 そこそこ長い付き合いだった 。
喧嘩こそよくするものの 、 なんだかんだ関係は良好だった 。
“ あの日までは 。 “
その日は 、 いつもより少し激しい喧嘩をした 。
理由は些細なことだったのだが 、 僕が逆情し 、 思いもしないことを言ってしまった 。
謝りたい気持ちはあるものの 、 変なプライドが僕の体を引き止めた 。
今思えば 、 そこからが悲劇の始まりだったんだ__ 。
< 帰宅路 >
お詫びの何かを持っていこうか 、 全力で土下座しようか 、
なんてことを考えながら歩いていた 。
すると … 、
たまたま通り掛かった小学生に押され 、 バランスを崩し…
キ キ ー ッ ̖́-
ド ー ン ッ =͟͟͞ <<<
右脚が痛々しく潰れてしまった 。
目の前にいたのは 、 血だらけのキミ 。
瞳の光は消え失せ 、 肌はいつも以上に真っ青だった 。
最期のように感じたその笑顔は 、 僕の目にしっかりと焼きついた 。
薄れ往く意識の中 、 最後にたった少しだけ聴こえたんだ 。
“ またな ッ _ “
周りを見ると 、 腕中に繋がれた点滴 、 「82bpm」と書かれたパネル 。
看護婦さんは気まずそうにそう言い 、 目線をずらした 。
その視線を追い 、 横を見ると …
“ 打ち覆い ”を頭から被り 、 横になっていたれるちがいた 。
看護婦さんは声を苦しそうに荒げ 、 そう言った 。
れるちがタヒんだ 、 という現実を受け入れられず 、 嘆いていた 。
れるがタヒんで 、 僕が生きるの … ッ ?
なんで 、 ?
ずっと一緒って 、 約束したじゃん ッ 、
置いてかないでよ 、 れる … ッ
抜け駆け禁止だよ … ッ ?
やだ 、 「 ドッキリでした ~ 」って言ってよ ッ 、
いつもみたいに 、 「 こえのバ ~ か 」って煽ってよ ッ 、
ねぇ 、 こんなタヒに方って …
涙なんて 、 出なかった 。
苦しいけど 、 悲しいけど 、 辛いけど 、
どんなに頑張っても 、 “ 出なかった 。 “
それから 、 キミのいない日々なんて楽しくなんかなくって 。
憎らしいほど 、 れるちの机に置かれた” 献花 “は美しくって 、
あの事故以来 、 僕は軽い『下半身麻痺』を発症して 、
もう 、 生きる意味が分からなかった 。
“ 世界の理不尽さを 、 強く知った出来事だった 。 “
“ 打ち覆い “
入 棺 ま で の 間 、 タヒ 者 に 被 せ て お く 白 い 布 。
覆 い 打 ち 、 顔 か け 、 顔 あ て 、 面 布 と も 呼 ぶ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!