カウンター席に座って
グラスに入ったカクテルを眺める
結局 ,
この間は相手を見つけられず
友人からの呼び出しで飲み会に参加して
ぐだぐだに酔って家に帰り
泥のように眠った
飲み会中 , そんほの生徒のことを
度々思い出しては
掻き消すように酒を呷ったせいで
案の定二日酔いになった
翌日酷い頭痛に耐えながら
そんほに連絡してみても
" うなくはそんな子じゃないよ "
と , 俺の話をまともに取り合ってくれなくて
そんほから何か注意してくれたら , なんて 。
そんな俺の思いは叶いそうになかった
カウンターの奥から , あの赤髪が顔を出す
は - , 今日もイケメンですね 。
そう心の中で悪態をつく俺を視界に入れた赤髪が
何か焦った様子でこちらに来た
自分から話しかけてきたくせに
バツの悪そうな顔をして口ごもる
一体なんなんだ ,
なんで俺に話しかけるんだよ
異様な雰囲気が気持ち悪くて
用件が無いなら失礼します , と
俺がそう言おうとした瞬間 , 赤髪が口を開いた
あぁ , あの時か
ていうか見てたならどうにかしろよ
そう言いたくなったのを我慢して
続きの言葉を待つ
… また ?
てことはあいつ , ここに来たわけ?
もう来るなって言ったのに
何で言うこと聞かないんだよ
なんで止めないんだと声を荒げる俺を宥めながら
気にかけては居たけど ,
店長に呼ばれて戻ったらもう居なかった 。
そう申し訳なさそうに言われれば
何も言えなくなる
この人だって仕事中だったわけだし
そこまで客の面倒を見る義理はない
… もう , ほんとにどうしようもないな
溜め息をついて頭を抱える
人の忠告を聞かないでまた来て
それでヤバイ男に着いていくなんて
自業自得だよ
… いや
俺のせい … も , あるかもな
反対方向 … てことは
結構ヤバイ奴だな
" 処女じゃなかったらいいのか "
ただの戯言だと思ったのに
まさか本気だったなんて
あ ~ もう , ここで義理を通さないと
大人として失格だし
きっとそんほにも嫌われる
俺は金と感謝の言葉だけを残して店を出た















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!