心がぐちゃぐちゃになった私は、体の奥底から湧き出る力に身を任せて、村を破壊し尽くした
もう何も、わからなくなっていた
そんなとき、悪魔執事と呼ばれる人たちが村に駆けつけてきた
村に来たのは二人
ベリアンとルカスという悪魔執事
おそらく、天使が村を襲っているという勘違いをした人が、警報を鳴らしたのだろう
二人は、私を見るや否や、あきらかに警戒するような顔をした
当然だ
その時の私は全身返り血で真っ赤に染まっていた
それに、あの現場で私だけ生き残っていたのだ
怪しむのは必然だった
警戒したような顔から、スッと笑顔になった
私は、その人の言葉を無視して、自分の手を見つめた
そうして、周りを見渡す
………建物が壊れて押し潰された人
体の一部が抉れたり、欠損したり……
血に染まった村が、そこにはあった
急に喋りだした私に驚いたのか、ずっと黙っていた人が口を開いた
素っ気ない返事をした
その時の私は、他人の死に何かを思うような心は無かったからだ
現在
初めてデビルズパレスに来た時
長い髪を括った人に、警戒心ばかりの目で見られていた
いや、その人だけじゃない
他の執事たちも私を警戒していた
普通の子どもとして見る人は、誰もいなかった
私が最初に会った悪魔執事の一人
その人は、誰よりも笑顔で接してくれていた
けれども心の中では全く信用してくれていない
………ここでも、また一人ぼっちなんだって思った
それでも、寂しいとは感じなかった
だって、もう慣れてしまったのだから












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!