[私たちは何とか生きて7日を終えました。]
赤髪海賊団の前には、ボロボロになった2人が何とか立っている様子が、無慈悲にも映し出された。
帰る時も、二人の間には会話がない。
最早、海賊団にも会話がない。
皆願うように映像に見入る。
「おかえり。奏、あなたの名前(前世)。」
[師範の声が聞こえたとき、溢れる涙を止めることができませんでした。
この時ばかりは、奏も師範も一緒になって泣きました。]
「よく…よく帰ってきた…!!!!」
頭を撫でられ、泣きながらも幸せな表情をする2人に、クルー達の涙腺が崩壊する。
大声で泣く船長、それに見習って泣き叫ぶクルー達、もはや声も出ず黙って涙を流すウタやベックマン。
……カオスである。
[鬼殺隊としての仕事が始まりました。慣れてくると、姉と違う任務を受けることが増えたものの、私達はそれぞれ力をつけていきました。]
「カァカァ!南南西!南南西!
次の任務は、南南西!」
あなたの名前(前世)の鎹鴉である菫があなたの名前(前世)を急かす
『わかったよ。菫。』
ニコニコな我が子にデレデレな親達
本当に四皇なのだろうか←
「階級甲!奏が交戦中!直ちに応戦せよ!カァカァ!」
『っ!』
静かに、しかし明らかに走る速度が上がった。
まるであなたの名前(前世)の焦りを表すように
頑張れぇ!と、画面に向かって応援クルー達。
もはや体育祭で我が子の応援をするママ(パパ)さんである。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。