平均より背が高い風楽さんがはしゃいだ様子で
きらきらと光り輝き水中を動く魚を指さして
私の腕をぐいぐいと引っ張る。
で、デート…ではなくおでかけの場所は
大きくて魚などの種類が豊富だと有名な
" 水族館 " に来ていた。
風楽さんは水族館に来るのが凄く久しぶりらしく
こうしてはしゃいでいるのだが…手をつかまれると
あのときのことを必然的に思い出しちゃうから
切実にやめてほしい……。
そんなことを思っているとはつゆ知らず
風楽さんは嬉しそうにこちらを見る。
きらきらとした水族館の光よりも眩しい笑顔。
咄嗟に返した声は少し震えてしまったけど、
その笑顔に釣られるように微笑んでしまっていた。
…そんなに楽しそうに笑いかけてくれるなんて
思ってなかったんです。きっと水族館が楽しいから
だと思うけれど、私に向かってそう言われると
単純ではないはずの私も勘違いしてしまうから。
そんなの、気のせいだってわかってるんだ。
でも心臓がバクバクなって、なんでだろうって
とぼけることしか出来なかった。
✦ ✦ ✦
大丈夫大丈夫!!と今日一日はしゃいでいた
風楽さんが更にはしゃいだ様子でニカッと
眩しい笑顔を向ける。
水族館に行ったあと「海行きたくなった!!」
なんて言う風楽さんについて行ってやって来た海。
夕焼けの光を海が吸い込んできらきらと
オレンジ色にあたたかく輝く。
風楽さんの元に急いで向かうと、
待ってくれていた風楽さんが
…また優しく笑顔を浮かべる。
――――どくんっ、
……やっぱりだ。風楽さんの笑顔を見ると
心臓がバクバクと痛く音を鳴らすんだ。
……なんで、なんだろう…なんて。
そうぼうっと考え込んでいると腕を引かれる
感覚がして、パッと顔をあげるとどこか悲しげに
眉を下げる風楽さんと目が合った。
遮るように言われた言葉にあ、と声をもらすと
風楽さんはやっぱりと言わんばかりに諦めたような
顔をして目を伏せる。
…悲しそうな顔、だった。
そうだよね。一緒に来た…しかも半ば無理矢理の
ような感じで来たのだからそう反応されるとは
わかっていたのだろう。
……でも、今の私は違うのに。
本当に楽しかったと思うのに、なぜか声が
でなくて言葉を発することができなかったんだ。
ふたりきりの空間。
それは前とは明らかに状況も雰囲気も違って。
響き渡った風楽さんのいつもと違う
絞り出すような声と言葉にえ、と目を見開いた。
Kanade🍭☁️さん、れんかさんスポットライトありがとうございます‼️‼️













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。