風が私の髪の毛を靡かせる。
少し風が強く、うっとおしくも感じる。
その風は私の背中を押すように階段をのぼった。
カフェから全力ダッシュでいつもの場所へと向かった。
だって、したら皆がいると思ったから。
コン カン
コン カン カン
コン カン
最後の段を踏み進んだ。
いつもの8人が私の方を一斉に見た。
あ、8人がいる。いつものこの場所に。
けどなんて声をかけよう。
いざ来たものはいいものの考えてなかった。
だけれど、まずは…。
私の声が橙色の空に響いた。
泣きながらウェンくんは私を抱きしめにきた。
私はウェンくんの背中を擦りながら話した。
顔をあげると皆私を見ている。寂しそうな顔で。
ショウくんは少し目を擦りながら話していた。
なんで?8人のみんなが話に行く必要は無いのでは…?
けど、なんで?
8人はそこまでするんだろう…。
聞き間違いだろうか。
私の体がだんだん熱くなるのがわかる。
強い風は私の熱を持っていってくれなかった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。