第26話

危険な時間(小学時代)
70
2019/10/25 22:38
正直、麗花がそんなことをするはずはない…
一時期はそう思っていた。
何より、一緒にいたのだからそんなこと言うはずがない…
子鈴木麗花
子鈴木麗花
麗花、そんなことしてないし!
あんた達が麗花をいじめてるんじゃんか?!
5年生女子D
そんなこと言って証拠でもあるわけ?
5年生女子A
ほんとめんどくさい
いじめ…いじめ、?
麗花が上級生にいじめられてる?
小山世奈
小山世奈
麗花ちゃん…
子鈴木麗花
子鈴木麗花
世奈、こいつらね!
麗花の靴を壊したり、無くされたり、嫌なこといっぱいしてくるんだよ!
小山世奈
小山世奈
嫌な事?
5年生女子C
嫌な事してるのはそっちなのにねw
5年生女子B
ウチらを犯罪者扱いしてんじゃねぇよ?!
この時、 
上級生の1人が麗花に向かって
手をあげたのだ…。麗花は思いっきりに後ろに押されて、尻もちを着いた。
子鈴木麗花
子鈴木麗花
痛っ!?
子鈴木麗花
子鈴木麗花
この──!
この時、麗花は上級生の4人に腹が立ち
立ち上がったかと思ったら、4人の1人に飛びつき、腕に噛み付いたんだ。
5年生女子B
痛い!
5年生女子B
こいつ、マジなんなの?!
小山世奈
小山世奈
………
私は何が起こっておるのか分からなかった。
ただ、怖くてその場にずっとしゃがんでいた。
体育館で問題が起こった…

近くで遊んでいた、奈実が私の方に焦って走ってきた。
小角奈実
小角奈実
どうしたの?!
小山世奈
小山世奈
麗花ちゃんが、あの人たちと……
古井燈
古井燈
私、先生呼んでくる!
燈は、急いで体育館を出ていき、教務室に向かう。
小角奈実
小角奈実
とにかく、世奈はこっちに来てよ?
私は怖くて、声に出すことも出来ずに頷いた。
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この時はまだ、良かった… 
ここから…悪化していく、もっと悪くなっていく…
5年生女子A
くそザル女!!
パンッ!!
何かを思いっきり叩いたような音が
体育館中に響きわたる…

その場は一気に沈黙した。
私はただ、その修羅場を見続けた…見てたから、皆が静かになった。
誰ひとり、こんな状況を予想なんてしていたかったのだから…
床に座りながら頬を抑える麗花…

麗花を見下ろして黙る上級生達…
5年生女子A
わ、私…こんな事するはずじゃ…
体育館の出入口から先生達が来た。
担任
何をしているんですか?!
教頭
お前達!一体何があったんだ?!
5年生女子A
わ、私達
5年生女子C
悪気があった訳じゃ…
上級生達は先生を前にして泣きそうになりながら、カタカタと震えている。

その場にしゃがみこんでいる麗花は…
先生A
麗花さん?!大丈夫?
麗花は30秒ぐらい黙り続けると、目に涙をうかばせて、やがて大泣きした。
分かってる、1人で上級生何人にも相手をして、怖かったんだろう…
麗花は先生に泣きついた。そんな麗花をみて私も、焦った気持ちが少し落ち着いた…

私だって、怖くて仕方がなかった…
いつ手を出されるか、いつ何を言われるか…
1人で考え込んだ。

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