吹き荒れる雪、辺りを見渡すことすらままならない
俺が出せる、現時点での最大火力
急激に一変した景色に、驚きを隠せない様子の水癸
無理もないだろう
だってこれは、俺が今 ” 初めて ” 使った技だから
でも、確実に使いこなせてる
能力を使う上で必要なのは ” イメージ ”
自分がその能力を使っているイメージを浮かべる
イメージ出来なければ、その技を使うことは出来ない
逆に、イメージさえ出来れば使える
「 冷気操作 」はイメージがしやすい
だから、新しい技もすぐに思いつく
絶対に、仕留めてやる
能力の一部、” 領域術 ”
ある一定範囲の空間を能力の対象とし
空間そのものを塗り替える
使用者以外が領域内に侵入した場合
即座に能力が発動し、侵入者を攻撃する
「絶対零度」は、俺の能力の領域術の1つ
俺の妖力量と同等の範囲を塗り替え
一面をホワイトアウト状態にする
さらに、領域内ではありとあらゆるものが凍結する
おそらく、5分も経てば全身が凍りつく
血液、神経、細胞、何もかもが凍る
そして最後には、ただの氷の塊となる
抵抗する術は何も無い
今度こそ、確実に仕留める
必ず、らんを守ってみせる
__________________ 領域を壊す、唯一の方法
基本は、使用者が術を解くことで領域は崩壊するが
他者が領域を破壊する方法が、たった1つ存在する
それは _______________
________________ 同様の領域術による打ち消し。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!