上半身が露になると、俺は肩を震わせクシャミをひとつ。
やはり、まだまだ体調は悪いようだ。
そんな俺を見て、佐藤は素早くルームウェアを広げて俺に着させる。
佐藤が選んだのは、裏起毛のあるトレーナーだった。
結局、こういうのが一番温かい気がする。
颯爽と立ち上がる佐藤の服の裾を、俺は咄嗟に掴んだ。
......聞いてみたい。
前にも聞いたことがあるけれど、もっと、ちゃんと、理由を知りたい。
どうして、"俺に" ここまでしてくれるのか。
言ってるうちに恥ずかしくなり、俺はだんだん声が小さくなった。
佐藤はそんな俺をキョトンと見下ろし、動かない。
答えを考えているのか、困っているのか、その表情からは分からない。
なかなか返事が貰えず、恥ずかしくなってくる。
と、佐藤が静かに口を開いた。
謝らなきゃいけない事ーーそう聞いて、
真っ先にあのキスの事だと思い当たった。
と、一気に顔が赤くなり、
俺はそれを隠すようにサッと下を向く。
すると、佐藤はそっと俺の手を取り、床に跪いた。
俺は手を握られたまま、黙って声に耳を傾ける。
佐藤は少し間を置いてから続けた。
答えを分かってはいるけれど、
先回りして言う訳にもいかないので一応聞いてみる。
佐藤は答える。
やはり、そうだった。
というか、一回目のは俺が寝落ちした直後だけれど、
二回目のはどうなのだろうか。
二回目は佐藤が寝惚けていて、
キスをした後にすぐまた寝てしまったのだ。
やはり、本人は覚えていないのか。
俺は勇気を振り絞り、その事について確認することに。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。