第21話

21 . 藤野先輩
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2024/07/05 12:00 更新


藤野
藤野
佐藤君!こんにちは、えっと......大丈夫?緊急事態かしら?サークルメンバー、今日も早々と集まってるわよ
優太
優太
あぁ、藤野先輩。ええと、その......すみません。今日はメンバー全員で「恋愛とはなんぞや」という議題で話し合う予定だったんですが......見ての通り、病人を運ぶ使命が出来てしまいまして......


"藤野先輩" に向かって、
佐藤はなんだかよそ行きの顔をして謝っている。


のは、いいとして。


大飛
大飛
( って、いやおい......なんだその議題 )


内心ツッコム俺。


"恋愛とはなんぞや" って......


大飛
大飛
( つーか、どんな活動内容だよ! )


まったく。


恋愛について語り合うなんて、
ますます恋愛サークルとやらには入りたくなくなった。


大飛
大飛
( ......まぁでも、佐藤としては真面目にやってんだろうから )


俺はとりあえず、佐藤の胸に顔を埋めるようにして、
時が過ぎるのを静かに待つことに。


大人しくしていると、藤野先輩が心配そうな声音を漏らした。


藤野
藤野
そう......まだ夜は冷えるし、お大事にね。じゃあ、今日は私がサークルメンバーに議題を伝えておくわ。レポートは後日、佐藤君に渡すわね
優太
優太
はい、宜しくお願いします。すみません、代表である俺が欠席になってしまって


佐藤が謝ると、藤野先輩はブンブンと顔の前で手を左右に振った。


藤野
藤野
いいのよ!こういう時はお互い様。まぁ、今日もどうせ、佐藤君へのラブ・メッセージばかりが集まりそうだけど。ま、後日お楽しみにってことで。じゃあ、またね!
優太
優太
はい


藤野先輩は手を振り、去っていった。


佐藤は暫し藤野先輩を見送ると、パッと微笑む。


優太
優太
さ、行こう。待たせた
大飛
大飛
......


佐藤と藤野先輩って、なんかいい関係っぽい......。


2人のやり取りを盗み見ていた俺は、
なんとなくモヤモヤした気持ちになり、
寝たフリを決め込んで返事をしなかった。


𝙉𝙚𝙭𝙩 .

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