"藤野先輩" に向かって、
佐藤はなんだかよそ行きの顔をして謝っている。
のは、いいとして。
内心ツッコム俺。
"恋愛とはなんぞや" って......
まったく。
恋愛について語り合うなんて、
ますます恋愛サークルとやらには入りたくなくなった。
俺はとりあえず、佐藤の胸に顔を埋めるようにして、
時が過ぎるのを静かに待つことに。
大人しくしていると、藤野先輩が心配そうな声音を漏らした。
佐藤が謝ると、藤野先輩はブンブンと顔の前で手を左右に振った。
藤野先輩は手を振り、去っていった。
佐藤は暫し藤野先輩を見送ると、パッと微笑む。
佐藤と藤野先輩って、なんかいい関係っぽい......。
2人のやり取りを盗み見ていた俺は、
なんとなくモヤモヤした気持ちになり、
寝たフリを決め込んで返事をしなかった。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。