近すぎる距離に耐えきれず、きつく目を瞑ると、
佐藤の唇が耳元に寄せられた。
耳元で囁かれると、背筋がゾクゾクして、
腰元が疼き始めてしまう。
熱もあるし、俺はもう限界で、
佐藤の胸元を力なく押し返した。
ダメだ。
もう俺には、ちゃんと考える余裕がない。
俺はとうとう、佐藤の色香にやられてしまった。
もはやうわ言のように漏れた俺の本音に、
佐藤がわずかに息を呑む。
そして次の瞬間、やや強引に顎を掴まれ、上向かされた。
気付けば、唇を塞がれ、熱が唇を割って侵入してくる。
逃れようとすれば後ろ頭を押さえられ、
より深くまでまさぐられてしまう。
ようやく開放されると、
佐藤は俺を見つめて甘い吐息を漏らした。
改めて、すっかり息が上がり、全身が火照っている事を自覚した俺は、恥ずかしくてたまらなくなり、両腕で顔を覆うようにして隠した。
なんとも、納得した声が聞こえ、俺の目は点になる。
恐る恐る顔を上げると、
そこには、一変して明るい空気が流れていた。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。