第3話

「七月二十日、涼しさを求めて」
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2026/03/10 08:00 更新
魂鬼 芽々
ふんふんふ〜ん
園屋 伊江
……あの
魂鬼 芽々
はいはい、なんですか?
園屋 伊江
……なんで着いてきたんです?
魂鬼 芽々
村長の曾孫なので!
園屋 伊江
それ、理由じゃないですし
芽々さんという名前の変な人は、何故か俺の隣を歩いている
……俺、コンビニに行きたかっただけなんだけど?
魂鬼 芽々
折角なのでこの私が直々に案内してあげますよ!
園屋 伊江
え〜……俺は別にいi
魂鬼 芽々
ほらイエモンさん、行きますよ!
園屋 伊江
ぉわッ……ちょ……!!
断ろうとした瞬間、手首を掴まれてそのまま引っ張られる
青い空、広がる緑……吹き抜ける風が爽やかな夏
ただ、限度ってもんがある
園屋 伊江
はぁっ、はぁっ……あ゛っつい……
魂鬼 芽々
全くもう……イエモンさん体力ないですね〜
両腕を腰にあてて、わざとらしく頬を膨らます芽々さんはへばっている俺と対照的に、かなりのスピードで走ったのにも関わらず息一つ切らしていない
園屋 伊江
っはぁ、これは、ッ、はぁっ、キツいって……
俺は肩で呼吸しながら反論する
魂鬼 芽々
え〜、近所のご老人達でもこの炎天下農作業してるのに?
園屋 伊江
……
……決めた。この夏は、ちゃんと運動しよう
これじゃあ、魂守村ここの次元に着いて行けねぇ……
魂鬼 芽々
しょうがないですね〜。死にかけのイエモンさんにオススメスポットをご紹介します
園屋 伊江
ふぅ……、オススメって……?
魂鬼 芽々
まぁまぁ、大人しく着いて来やがれください!
そう言って芽々さんは歩き始めた
俺を気遣ってくれているのか、さっきよりゆったりした足取りだった
……割といい人なのかもな
そんなことを考えていると、一つの大きな建造物が見えてきた
ドーム型のアーチがかかったトンネルのような建物。その中に、沢山の小さな店が入っていた
園屋 伊江
……魂守、商店街?
魂鬼 芽々
そうです!コンビニよりも便利な商店街なんですよ!
園屋 伊江
……それ全国のコンビニ敵に回してません?
魂鬼 芽々
ん〜、多分大丈夫でしょう!
園屋 伊江
えぇ……?
俺は彼女の少し無責任な回答に呆れながら、商店街の中を見渡した
来たことはない筈なのに、何処か懐かしく、目に見えるものが全て新しい物のように思えた
魂鬼 芽々
さ、ここです!
芽々さんは商店街の丁度中心辺りにある一つの店を指差した
園屋 伊江
……喫茶「猫の隠れ家」
随分可愛らしい名前だなと思いながら店に入る
園屋 伊江
……涼しい
魂鬼 芽々
ふふふ、でしょう?
中は冷房が効いていてとても涼しい。まるで天国だ
???
あ、芽々さんいらっしゃ……って、彼氏さん?
どこからか顔を出したのは、ピンクゴールドの髪の少女だった。どうやら芽々さんの知り合いらしいが……
魂鬼 芽々
ふふ、どうだと思います〜?
園屋 伊江
ぇ、ちょっと!!?
この人……っ!なに無責任なこと言って……!?
???
え〜っ!芽々さんに遂に彼氏!?ねぇ、流夏にぃ〜ビックニュース!
柊鳴 流夏
はぁ……陽夏、他のお客様に迷惑だろ?
少女に呼ばれて厨房らしき所からプラチナゴールドというのだろうか?そういう色の髪を揺らす高身長イケメンが出てきた
彼は、チラリと俺の方を一瞥すると、はぁっと息を吐いた
柊鳴 流夏
……すみません陽夏、うちの妹が
園屋 伊江
あ、いえ……大丈夫です
柊鳴 流夏
あ、俺は柊鳴 流夏。こっちのうるさいのが陽夏です
柊鳴 陽夏
うるさい!?にぃ、それは心外だな〜
柊鳴 陽夏
柊鳴 陽夏だよ〜!流夏にぃの双子の妹!あなたは?
園屋 伊江
……園屋 伊江です
園屋 伊江
……っあ、この人は別に恋人じゃないです
自己紹介のついでに、芽々さんを指さして一応弁明をする
魂鬼 芽々
あ、言っちゃった。もう少し反応見たかったのに……っ!
柊鳴 陽夏
ちぇっ……なんだぁ、てぇてぇじゃないのか〜
魂鬼 芽々
あ、ひなにいさん!コーヒー!
柊鳴 流夏
はいはい。コーヒーね
柊鳴 陽夏
お好きな席にどうぞ〜!!
魂鬼 芽々
はーい、ほら、イエモンさんも!
園屋 伊江
あぁ……はい
芽々さんに手招きされてカウンター席に腰をかける
園屋 伊江
……てか、気になってたんですけどひなにいっていうのは、?
魂鬼 芽々
あぁ、陽夏ちゃんの兄だからっていうあだ名です
園屋 伊江
へ〜
柊鳴 陽夏
お待たせしました〜っ!コーヒーです!
魂鬼 芽々
ありがとうございます!
芽々さんの前にコーヒーが置かれるのを眺めていると、コトンと自分の前にソーサーに乗ったカップが置かれた
園屋 伊江
……え、俺お金持ってないんですけど
魂鬼 芽々
いいのいいの、私が払いますから!
園屋 伊江
でもっ……
柊鳴 流夏
奢られといてくださいよ。元はといえば芽々さんが悪いので
魂鬼 芽々
なっ、酷いですねぇ……もぅ
柊鳴 陽夏
ほら!冷めないうちにどうぞ!
園屋 伊江
……じゃあ、いただきます
お言葉に甘えてコーヒーを一口飲む
園屋 伊江
……美味っ
柊鳴 陽夏
ふふん、でしょ〜?自家製ブランドなんだよ!
柊鳴 流夏
ブレンドな?
柊鳴 陽夏
あれぇ?
魂鬼 芽々
美味しいですよね〜
魂鬼 芽々
ここのコーヒーは夏も飲みたくなるんですよねぇ
柊鳴 流夏
芽々さん、アイスコーヒーもあるのにいっつもホット頼んでません?
柊鳴 陽夏
そうだよ!暑くないの?
魂鬼 芽々
気合いです!
柊鳴 流夏
……今度から夏は強制的にアイスコーヒーにします
魂鬼 芽々
え、なんでぇ!?
柊鳴 流夏
ただでさえ暑いのに自ら熱中症になりに行かないでくださいッ!!
魂鬼 芽々
ひなにいさんは私のお母さんですか……?
柊鳴 陽夏
にぃなのママなのどっちなの……?
柊鳴 流夏
兄ですっ!!
……あぁ、なんかこの空間落ち着くな
騒がしいけれど、何処か懐かしくて安心できる
柊鳴 陽夏
イエモンさんまたねー!
柊鳴 流夏
また来いよな〜
園屋 伊江
……おうっ、!
いつの間にか二人にもイエモンという謎のあだ名が浸透していて、気づけば仲良くなっていた……解せぬ
魂鬼 芽々
……どうですか?ここの生活
園屋 伊江
まだ初日なんですけど?でも、まぁ……
その後を言いかけて、足を止める
魂鬼 芽々
あら?イエモンさんどうしたんですか?
それに合わせて彼女も止まって振り返る
園屋 伊江
……芽々さん、ありがと
その時の芽々さんは驚きの表情を浮かべていた
魂鬼 芽々
……いえいえ、また何時でも案内してあげますよ
ニコリと微笑んだ彼女は、夏そのものを具現化したように爽やかで美しかった
願 叶羽
願 叶羽
私、思ったんです
願 叶羽
願 叶羽
あぁ……これ、100話超えるなと
白鷺 かさね
白鷺 かさね
一日大体2、3話の計算だと最低124話書くことになるぞ
願 叶羽
願 叶羽
……私の高校生活が終わるのが早いか、小説書き切るのが先かのチキチキレースが始まったんですけど()
白鷺 かさね
白鷺 かさね
お前が毎日投稿したら半年経たずで終わるな
願 叶羽
願 叶羽
それは流石に無理です
白鷺 かさね
白鷺 かさね
……だよなぁ()

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