2026年8月29日。
今日は、四十九日のために、自分の部屋の片づけをすることにした。
私が亡くなってすぐ、お母さんがある程度片づけをしてくれた。
この部屋に残っている私の人生を、最後に少し振り返ろうと思っただけだ。
まだ捨てていいかわからない中学の教科書に、今までの図工や美術の授業で作った作品。
誕生日にもらったキーホルダーだったり、アクセサリー。
本棚にある小説や漫画を読み返す時間はあるだろうか。
数回しか着なかったワンピース、あんまり使ってない文房具。
もう捨ててもいいものも多いけど、片付けだけして、なにも捨ててないみたいだ。
この前もらったアルバムを、もう一度見返す。
思い出がない日なんて一日もない。
毎日のように会って、遊んで、喋って。
こうやって写真に残してくれてよかった。
おかげで、ずっと思い出せる。
昨日もらった手紙をまだ開けていなかっらから、読めなくなってしまう前に読むことにした。
今までの思い出だったり、日ごろの感謝だったり。
普段一対一で話さない人も、関わるようになってから日の浅い人も、ひとつひとつの文が大切に書かれているように感じた。
思えば、私は環境に恵まれていた気がする。
いい友達をもった。
死んでから、こんなに思い出を作れた。
もう、後悔なんてないくらい、濃い夏休みを過ごした。
最後の時間を、みんなと過ごせてよかったと思い、手紙を大事にしまった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。