キーーンコーーンカーーンコーーン…
今日はまだ、入学式もあった1日目だと言うのに、学園上位クラスは普通に授業があるらしい。
1時間の昼休みが始まったことを告げるチャイムを聞いて、持ってくるようにと入学資料に書かれていた弁当を持って屋上に向かう。
やはり世界中に展開され政府も関わっている学園なだけあり、道中の階段も廊下も重厚感のあるものだった。
それでも、屋上だけは、名古屋に構えられた学園中等部にいた時を思い出す懐かしさがあった。豪華絢爛というわけではないが、かつての友人と談笑し食事をとったあの頃あの場所を。
中等部と高等部は、一体どうして名古屋と東京に分かれているのだろうか。敷地はあるのだから同じところに建てればいいのに。
するとその時、かなり大きな音を立てて同じクラスの生徒が3人入って来た。
特に目立ってた人の1部だ。
その正体は、出身が兵庫だと言う3人組。うち2人は兄妹、うち2人は親友ときたものだ。
…今、家元さんだけ私のこと苗字で呼びました?
いえもんさん、?
この場に伊右衛門という名前の人は居ただろうか。いや、いない(反語)。
家元虎之助と伊右衛門に何の関係が…
確かに、と思ってしまった。無論、私はあだ名をつけるほど名前が長くないし、あだ名をつけるほど親しい友人はそんなに居なかったから『あだ名』という概念が珍しく感じた。
…すごい視線を感じる。見られている。
真横の兄妹から、じーっと見られている。
何やらコソコソ話している2人はいったん放置。陽向さんも陽夏さんも名前が三文字だから、あだ名をつけるなら1文字減らすのが無難だ。それならば…
あそこの2人はさっきから何笑ってるんでしょうか全く。
陽向の兄、でひなにい。このあだ名考えた人頭いいですね…いえもんさんも中々ですけども。
いや、今はそんなこと話してる場合じゃないですね。今の今まで、私としたことが気づいていなかったとは。
バレてしまったか、とでも言いたげな顔で姿を現したのはまたも同じクラスの2人組。
やはり予想的中、未鳥さんは暴言厨でした。それと瑞上さんは……何の角なんですかアレは…?
あの角、両生類…となるとやっぱりあれしかないですね。
未…ラテさんは瑞…ウパさん目掛けて魔法を使う。丸焼きにでもしそうな程の火力で、4月なのに一気に周りが真夏日になった。生憎ウパさんは水属性魔法なので鎮火されてしまったけれど。
とその時。
ピーンポーンパーンポーン…
『新1年生上級クラス、特待生16名は至急体育館へお越しください。繰り返します。新1年生上級クラス、特待生16名は至急体育館へお越しください』
ピーンポーンパーンポーン…
上級クラスといえば私たちのクラスだ。しかし『特待生』という単語には聞き覚えがない。
全員印象に残った人たちだ。やはり、墓杜芽々の勘はかなり鋭い、と自身で再認識する。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。