第62話

62話
6
2023/11/24 14:22
少し前まではあいつの方が優先だったが、今は俺らが優先になっていた
インヘアー
インヘアー
…流石にきついな…やっぱ能力って便利だな
テラ
テラ
人の実力は能力で決まらないぞ?実際、俺は今、能力を使ってないからな
インヘアーは、ナイフを取り出して俺に向かって振るうが俺はそれを避けながら、回し蹴りを喰らわせる
そのままそいつは、全身を地面に打ち付けられる
インヘアー
インヘアー
ぐっ…!
テラ
テラ
さぁて、何か言い残すことはあるか?
インヘアー
インヘアー
…お前の性格なら…合いそうだなぁ…
テラ
テラ
十秒あれば忘れそうな遺言をどうも
テラ
テラ
なら…死ね
そう言って俺は能力でそいつを殺した
…はずだった
そいつの体から、魂のようなものが出てきたと思えば、それは俺に向かって飛んできた
そして魂は俺に入った
その瞬間、俺の頭に、覚えの無い記憶が流れる
無能力者だと能力者に虐めを受けた記憶
親から捨てられた記憶
…国から、人間として扱ってもらえなかった記憶
テラ
テラ
なんだ…これ…
インヘアー
インヘアー
「…俺には、バレていない能力があるんだ」
頭の中で、そんな声が反響する
インヘアー
インヘアー
「その能力は、受け継ぐ能力。他人の中にもう一人のそいつとして、潜り込めるんだ」
インヘアー
インヘアー
「なあ…こんな世界を…」
そして、そいつは言った
インヘアー
インヘアー
「_____みないか?」

プリ小説オーディオドラマ