南野拓実クン、誕生日おめでとー!!!!
〈 t a k u m i side 〉
練習場に向かっている最中、純也くんの冷たい視線が頭にこびりついていた。
思い出せば思い出すほど辛くなって、我慢していたのに涙が一粒流れた。
止まれ、止まってくれ
そう思っても体は俺のいうことを聞いてくれず、一瞬で涙が溢れた。
どうして、こんなことになったんだろう。
昨日の夜はなんともなかった。俺の部屋でサッカーの話で盛り上がった。
そのままお酒を飲んで、酔った勢いで唇を奪って…
もしかして、俺が無理やり純也くんにキスを落としたことに怒っているのか、?
いや、それは無い。
深いキスをしてるうちに純也くんからも舌を絡めたし、口を離すと『もう終わり?』と俺に問い掛けていた。
どうして、本当にどうしてなんだろうか。
自分の発言に、また涙がこぼれそうになった。
薫は、俺を見つめてから真剣な表情で顔を横に振る。
その日の練習は息苦しいものだった。
いつも俺の隣にくっついている純也がいない。
純也に近づくと避けられる。
チームメイトにも、
みんなが俺と純也の距離に違和感を覚えている様だった。
俺の前で純也の名前を出さないで、苦しいだけだから
なんて言えたらいいのに、俺は素直になれなかった。言えるわけなかった。
助けを求める自分がダサいと思ってしまった。
色々考え込んでいたせいで、練習中は失敗ばかりだった。
もう辛くて苦しくて、練習終わりは酷い頭痛に悩まされた。
みんなが出ていくまで練習場にひとり残って、草むらの隅で子供の様に泣いた。
声をあげて、今まで我慢していたものを全て出す様に泣いた。
頭痛が酷くなっていく。でも、そんなことはどうでも良かった。
何もかも、自分が思っていたことを全て声に出して泣いた。
今まで言えなかったこと、全部口に出して楽になろうとした。
他の誰でもない、ただただもう1人の俺に訴えかける様に
怖い、助けてほしい、と言いながら泣いた。
時間も忘れて泣いていたので、気がつけば暗くなっていた。
そうだ、忘愛症候群ってのを調べてみないといけなかった。
その場に素早く立ち上がると、目眩がした。
足に力が入らない上に泣きすぎて視線がぼやけているため、フラフラしながら歩いた。
頭が何か鋭いもので抉ったように痛い。
視線が揺らいで倒れそうになる。
足に力が入らない。俺は目をぎゅっと瞑り、そのまま地面に……
俺の頭の上から声がする。
純也の声だ、
倒れそうになったの、守ってくれたんだ
俺は純也に抱えられていたようで、地面に下ろされた。
純也に強引に腕を引っ張られながら練習場に連れていかれた。
違う、違うんだよ
俺が言いたいのはこんな苦しい言葉じゃない
ただ、
'' 愛してる ''
って言いたいだけなのに、
体が、言うこと聞かないだけなんだよ
最近初めてコメントしてくれる子多くて嬉しい限りでございます
前からコメントしてくれる子は覚えてるでございます
感謝でございます














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。