アラームをつけ忘れていたため、broooockが自然に起きた頃にはもう9時だった。シャークんはまだ寝ていたため、寝ている間に軽い朝ご飯でも振舞ってあげるか…。と、キッチンに向かった。
冷蔵庫には、卵や豆腐、いくつかの野菜、その他もろもろ…とあったため、目玉焼きと野菜スープ、白ご飯も少し出すことにした。昨日あんだけ食って飲んでってしたから、あまりお腹すいていないだろう。と、量を作るのはやめた。実際にbroooockもあまりお腹がすいていないのだ。
水を沸騰させるために加熱しながら隣で目玉焼きを作っていると、シャークんがもぞもぞ…と動いた。
起きたかな?と思い、broooockは少し声をかけてみる。
「シャークん、起きた?」
「あぁ…ん、起きた。おはよ」
「うん、おはよう」
頭を掻きながら、むくりと上半身を起こす。
「あ、いい匂いがする。なんか作ってくれてんの…?」
「そうだよ、なんも無いのもあれかなって…」
「…シャークんってお腹すいてる?」
「いやぁ…?」
シャークんに良かった。と声をかけ、少なめに作ってよかったなとbroooockは思った。
シャークんには、スマホとかでもいじって待ってて。と言い、朝ご飯を再び作りにかかる。
スープも目玉焼きも、全て出来たらシャークんに声をかけて、出来たことを伝える。
シャークんは、キッチンに来て運ぶのを手伝ってくれるらしい。
お皿にそれぞれのを盛り付けて、運んでもらうようにお願いする。スープを入れている間にはもう机に目玉焼き(+α)は置かれていた。
全て運び終わり、手を合わせて頂きます。と挨拶をし、2人でもぐもぐと食べ始める。
「っん、おいしい」
「ほんと?…ありがとう」
スマイルにも振舞ったなぁ…と、作った後に思い出していたbroooockは、心做しか顔が暗かったのかシャークんが心配そうに声をかける。
「…なぁ、顔くらいけど大丈夫か?」
「あれ、ほんと?…顔に出ちゃってたか」
「結構出てたぞ」
「相談あるなら、聞くけど…」
「昨日も言ってたよね、確か…」
寝る前の記憶は曖昧だけど、相談あるなら聞く。という感じのことは言われた気がする。
「そうだったっけ」
「うん。……多分言ってたよ」
「…じゃあ、乗ってもらっていい?」
「あぁ、もちろんだ」
broooockは、スマイルと自分について話し始めた。
別れたばかりで、まだ未練もあり元気になれるような気分じゃなかった。まぁ、シャークんが来てくれたおかげでマシにはなったけど。そんな小言も入れながら全て話した。どうしたらこの未練が晴れるか、この悲しみを無くしたい。
ポツポツ話していると、悲しくなってきて涙が目に溜まった。シャークんは、そんなbroooockに気づき、どこから出したのか小さなハンカチを渡してくれた。
「ぅ…ありがと、…」
「…辛かったんだな」
「でも、…本気で好きだった」
「うん。」
これからどうやって忘れようかな…。と、呟く。
「……いっその事、新しい恋見つけたら…、って言いたいけど、そんな簡単じゃないよな」
「新しい…恋、」
「おう。もし他に好きな人が出来たら、手伝うよ。俺」
「……うん、ありがとう」
溜まった涙が溢れる前に拭き取り、机に優しくハンカチを置く。新しい恋…。意外とそれはすぐに出来るかもしれない。
「…一旦、この話やめていい?」
「ごめん、僕から乗って欲しいっていったのに…、」
「ううん、大丈夫だ。そんなに引きずる程辛かったんだから。」
「…うん、」
「……ゲームの話でもするか?」
「、そだね。」
それから、スマイルの話は忘れて、ゲームの話をすることにした。切り替えるのに少し時間がかかったが、明るく接してくれるシャークんを見ていると、切り替えることが出来た。
「そういえば、スマホで新しいゲームできるってな」
「へぇ…どんなの?」
「確か、______みたいな、感じかな…?」
「え、面白そう…」
ちょっと調べてみるわ。そう言って、シャークんはスマホを取りだしそのゲームについて調べ始める。
シャークんのことを見ていると、はっとなにか少し驚いたような顔をした。
「え、今日の13時公開だって」
「気づかなかった…」
「それほんと?予約しておいた方がいいかな」
「まぁ、するならそうだな」
「マルチプレイも出来るみたいだぞ」
「せっかくならやる?」
「やろうぜ」
broooockもスマホを取り出し、そのアプリ名を教えて貰って予約画面に行った。
予約を押すと、容量が足りません。予約しますか?
という、画面が出てきた。アプリをダウンロードするのに居る容量を見ると、あと少しだった。とりあえず、『はい』を選択して、どうしよう…と悩んでいた。
「あ、ちょっと容量が足りないって言われた」
「んー…じゃあ、やってないアプリとか、いらない写真すてればいけるんじゃないか?」
やってないアプリ、いらない写真か…。
あ、そういえばもうあのゲーム飽きてやってなかったな。最近やっていないゲームを思い出し、それを消すことにしたbroooock。だったが、消す前に1つ思いついた。
……スマイルの写真、消していい言い訳出来たから、このタイミングで消しちゃおう。
じゃないと、消すタイミングがもう来ない気がする。
そう思ったのだ。アルバムを開いて、スマイルが写っている写真を少し時間をかけて全て消した。
その後にやってないアプリも消した。
……さようなら、スマイル。
もう、顔を見ないよ。きっと。
「……俺の事選んでくれねぇかな、broooock…。」
「なんか言った?」
「…なんも言ってないぞ」
「そ?…わかった」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!