あなた『良平。』
良平「なーに?」
あなた『これあげます。』
仕事終わりにスマホを見ればあなたから
というLINEが入ってて、家に帰って玄関で はい、と渡されたのはGODIVAの袋。
良平「・・・・・GODIVA?」
あなた『今日バレンタインじゃん』
良平「そうじゃん!」
最近忙しすぎて忘れてた。
良平「そうだ今日じゃん…」
リビングに入って、マスクを外しながらショッパーを受け取る。
良平「開けていい?」
あなた『ふふっ、いいよ』
白い紙袋からピンクのハート型の箱が出てきた。
良平「随分可愛いね?」
あなた『でしょー?』
手を洗ってコートを脱いだあと2人でコタツに入って箱を開けた。
あなた『多すぎてもあれだから6つ入りのやつ買ってみたの。』
良平「ありがと。」
あなた『いーえ。』
良平「んっ、おいひ」
一番最初に目に付いた赤いハートのチョコを口に入れると、甘酸っぱいいちごが口の中に広がった。
良平「流石GODIVA すげぇうまい」
あなた『ふふっ、さすゴディ?』
良平「さすゴディ笑 あっ、あなた」
あなた『ん?』
名前を呼べばあなたはこちらを向いて、
あなた『んむ、!』
口の中に入ったチョコレートに少し驚いていた。
あなた『あ、うまひ』
レモネードかな、と口をもぐもぐさせている姿がとても可愛らしい。
良平「ん、」
あなた『!?』
良平「あっ、ほんとだ、レモネード…かな?」
あなた『ちょっ、え?、はっ!?』
不意打ちでキスをしたからかあなたは驚いてわたわたしていた。
あなた『き、きすしました!?』
良平「キスしました。美味しかったです。」
あなた『良かったです…じゃない!感想なんて求めてないよ!』
良平「たく、ん」
あなた『んんっ、む、んっ』
長めのキスの後、コタツから引きずり出してあなたを、抱えた。
あなた『あの、』
良平「バレンタインチョコのお返ししなきゃね。」
あなた『あ、それは来月でい……』
良平「聞こえませーん」
あなた『いやぁぁぁぁあ』
あなたの悲鳴は聞こえないふりをした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!