第146話

Episode.144
1,687
2023/08/09 14:00 更新






当時の事を思い出し、私は近くにあった枝を徐ろに掴むと、そのまま雪の上に"ある絵"を描き始めた。

「なんだその絵」と可笑しそうに笑みを零すジョージに視線を移してから「覚えてないの?」と口にする。
ジョージ・ウィーズリー
もしかして、あの時俺が描いてた絵か?
あなた・アルース
ふふっ、正解 ((ニコッ
「似てるでしょ?」と首を傾げ、ジョージに視線を向ければ「いや、俺の絵の方が上手かったな」とジョージは雪の上に描かれた私の絵を見ながら可笑しそうに笑った。

記憶にある限りじゃ、私の絵もジョージの絵も大差ないとは思うけど…なんて考えながら、私とジョージは少しの間、沈黙と共にその絵を眺めていた。

息苦しくない沈黙が続き、冷たい風が頬を撫でた時
私は、地面を見つめたまま徐ろに口を開き、そのままジョージの方へと顔を向けた。
あなた・アルース
ありがとね、ジョージ
ジョージ・ウィーズリー
…どうしたんだ?急に
一瞬目を見開いたジョージは、私の言葉に微かに眉を寄せた後、直ぐに優しげな笑みを浮かべ、私の瞳を見つめ返してきた。
あなた・アルース
あの時、ジョージが止めてくれなかったら
私は今頃ここにはいないだろうし…
あなた・アルース
きっと、フレッドとも…仲直り…
出来なかったと思う
あなた・アルース
だから、すごく感謝してるわ
今も昔もね…ありがとう、ジョージ ((ニコッ
ジョージの瞳を見つめ、私は真っ直ぐ感謝の気持ちを伝えた。あの日、あの公園にジョージが来てくれなかったら…きっと私は、父の誘いを受けていただろう。

そして、左腕には"闇の印"が刻まれ、あの日ジョージが私に言ったような結末が待っていたに違いない。

そうならなかったのは…紛れもなくジョージのおかげだった。ほんの少しだけ戸惑ったような彼の表情を見つめていると、ジョージは ふっ と笑みを零してから、地面の絵に視線を落とした。
ジョージ・ウィーズリー
あなたが言うほど、大した事はしてないさ
あなた・アルース
そんな事ッ
ジョージ・ウィーズリー
フレッドが、いつまでも辛気臭い顔してるのなんて耐えられないからな。それに、俺だってあなたに死喰い人にはなって欲しくなかった
ジョージ・ウィーズリー
あの時はただ、必死だっただけさ
感謝されるような事はしてない
普段は自信満々。そのくせに、どこが謙虚さがあるジョージの言葉は、あの頃と変わった感じがしなかった。

ジョージの言葉に顔を綻ばせた私は、彼の手に自分の手を重ね「あなたにとって、大した事じゃなくても…私は、本気で感謝してるのよ?」と微笑んで見せた。ジョージの僅かに動揺した表情と共に、重ねた先にある彼の手の冷たさが体に伝わる。
あなた・アルース
あなたには、いつも助けられてばかりね…
ジョージ・ウィーズリー
"いつも"?
あなた・アルース
えぇ、今日だってそうよ
あなた・アルース
ジョージが声をかけてくれなかったら
私は今頃、みんなには何も言わず"逃げていた"と思う。この場所から…
あなた・アルース
でも、ジョージの言葉でほんの少しだけど、勇気が出て…向き合える気がしたの…だからまだここにいる
あなた・アルース
全部、ジョージのおかげよ ((ニコッ
そう言った私は、ジョージの手を僅かに強く握った。
そんな私に対し、彼は何も言わず、ただ私の事を見つめ続けた。お互いの瞳にお互いが写り、先とは違う…不思議な沈黙がその場に流れる。

「ジョージ…?」私が控えめにそう呼べば、ジョージはハッとした様に目を見開き、瞬きを繰り返してから、私の手から自分の手をするりと抜くと視線もそのまま逸らしてしまった。
ジョージ・ウィーズリー
……助けるのなんて、当たり前だろ?
ジョージ・ウィーズリー
あなたはッ……
慌てて言葉を探る様なジョージの声に、私は眉を寄せた。私が何かまずい事でも言ってしまったのだろうか…

挙動不審とも取れる彼の言動に、思わず首を傾げる。
あなた・アルース
私が…なに?
ジョージ・ウィーズリー
…あなたは、フレッドの……
相棒の、大切な恋人で…
ジョージ・ウィーズリー
俺にとっても大切な…大切な"親友"だからな
助けるのなんて当たり前さ ((ニコッ
ジョージ・ウィーズリー
というか、今夜帰るつもりだったのか?
何も言わずに?
あなた・アルース
ッ…一瞬そう思っただけよ
手紙くらい置いていくつもりだったわ
ジョージ・ウィーズリー
本当か?
あなた・アルース
えぇ、本当よ
"何か"をはぐらかされた。そんな気がした。

だけど、それを深堀する事はできなくて、私はただ流れに合わせてジョージとの会話を続けた。今日話していて、何度が感じた違和感。それを理由を告げる様子もないジョージ。

私は、何処かの赤毛の双子とは違って、心を見透かしたような言葉はかけられない。だから変に探るのはやめておこう。それに、何かを隠しているのだとしたら…ジョージなら、きっといずれ話してくれるだろう。

私は、そう思う事にした。
ジョージ・ウィーズリー
クリスマス休暇が終わった後の訓練
皆、直ぐに上達していったよな
あなた・アルース
ハリーの教え方が上手かったからね
ジョージ・ウィーズリー
あなただって、皆に教えてただろ?
あの日、フレッドに謝ろうと皆がいる部屋の扉をノックした瞬間、ジョージの予想通り、フレッドが真っ先に私に抱きついてきて、お互いに謝り続け、私達は無事に仲直りが出来た。

そして、死喰い人にならない事を決心した私は、父に"吠えメール"を送り付け、その後に届いた父からの手紙は軽く読んでは、全て燃やし続けた。

全てをみんなに打ち明け、心の負担が無くなったからか
不思議とそんな行為も怖いとは感じず、今まで上の空で参加していたD.A.の訓練も、クリスマス休暇後には、まともに参加できるようになっていた。
あなた・アルース
少しハリーの手伝いをしていたくらいよ
守護霊の呪文に関しては、私は教わるばかりだったもの
ジョージ・ウィーズリー
でも、直ぐに上達して
守護霊だって使えてただろ?
そう言ったジョージは、爪を立てた様なポーズをして
私に向かい、少しだけ悪戯に笑って見せた。
あなた・アルース
ふっ…それって獅子のつもり?
ジョージ・ウィーズリー
あなたの守護霊は"雌ライオン"だろ?
あなた・アルース
えぇ、そうだけど…今はどうかしらね、出せるかも分からないわ…
私はそう言って思わず苦い笑みを浮かべた。暗い雰囲気になってしまう。そう思っていても、気がつけば口から出てしまっていたその言葉に、ハッとし唇を引いた。

だが、そんな心配はジョージの前では杞憂だった様だ。
ジョージ・ウィーズリー
あぁ、俺も…今はどうだろうな
訓練の時でさえ、形は曖昧だったし
ジョージ・ウィーズリー
それに、今は…
守護霊の呪文を唱える機会すらないからな
あなた・アルース
…そうね、今の魔法界はとても平和だもの
私が微かに視線を下げてそう言うと、ジョージはほんの少しだけ私の顔を覗き込むようにして「それが一番さ」と優しく微笑んだ。
ジョージ・ウィーズリー
でも、DAの訓練は、もう一度くらいやってもいいかもな 笑
ジョージ・ウィーズリー
当時は、あの"ガマガエル"に邪魔された
そう言ったジョージは、当時と変わらぬ如何にも嫌そうな表情を浮かべ、必要以上に顔を歪めた。

それにつられるように、私も当時のアンブリッジの事を思い出し「そうね、あの時は…」と言いながら自然と眉間に皺を寄せた。






















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あなたちゃんの守護霊は、なんと雌ライオン🦁
意外でしたか?皆様はどんな守護霊を想像していましたか?✐☡ ⋆*

久しぶりの現代パートですね𓈒𓏸𓐍
と言っても、更新自体が1ヶ月以上ぶり…

遅くなって申し訳ありません🙇‍♀️

これからも、作者の私情により更新が遅くなり、読者の皆様をお待たせしてしまう形になると思いますが、どうか暖かい目で見守り、気長に待っていただけると幸いです🙇‍♀️

そんな中【お気に入り🌟】700人を突破致しました!🎉
皆様、いつも応援ありがとうございます🍀*゜

まだまだ、未熟者ではありますが、この作品をなんとか完結まで皆様の元にお届けしていきますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

これからも応援のほどよろしくお願い致します🕊🤍


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