魔力を感じ分けることに成功して、ほっと息を吐く。
さっき自分が魔法出せるかを試したら、自分だけの魔力を使って結構デカめな魔法が出たから良しとする。
それにしても、並々ならぬ集中をしたからか頭が糖分を求めてる。パフェ寄越せぇ。
ずべしゃっと床に座り込む。脚が棒である。
椅子に座らず、3時間ほど格闘していたのだから当然かもだけれど。
フィール「疲れただろう。しっかり休憩しなさい」
コウタ『うん……。あー、魔力がグルグルしてるよぉー。感じ分けし終わったら後は自動で他のもしてくれるっぽいねぇー。なんて楽な世界』
ノスディシア「お前が心配してた戦場うんぬんはこれで解決したんじゃないのォ?あはっ、こき使えるねェ♡」
あー、確かにその問題は解決…少し前に盛大に拗ねていたのが恥ずかしいわ。
つか、こき使うってこの人俺の初陣に着いてくる気か?(ノアは戦場特化の騎士だからです)
それにしてもこの部屋、感じ分ける前には分からなかった魔力がふよふよと漂っている。それは多分、訓練した魔法の残穢なんだろうけど、ただただ数が多い。
俺が使う場所を指定して、そしたらオートになる〜みたいなことは出来るんだろうか。出来たらそうしたい。俺の頭がパンクする前に。
悶々と考えていると、頭からプスプスと煙が出てきた気がする。アカンわ。考えるのは後にしよう。
フィール「まあ、今日やる事は終わりだ。部屋に戻るか早めの夕食を摂るかだが…どうしたい、コウタ」
コウタ『一旦部屋に戻って休みたい』
ノスディシア「軟弱だなァ」
コウタ『ノアさんみたいに筋肉バカじゃないからね〜』
ノアさんと軽口を叩きながら扉の近くまで行く。後ろから「誰が筋肉バカだクソガキィ」とか聞こえたけど気にしない。気にして後ろ向いたら般若がいるからです。まだ死にたくねぇよ。ピッチピチの12歳(精神年齢22歳)なのにッ!
ガラッとなんの考えもなしに扉(引き戸)を開けて一歩踏み出す__
コウタ『ぅ゙…え゙ッ…』
頭に流れ込んできた魔力の気配に気持ち悪くなってしゃがみこむ。喉から何かがせり上って来そうで口に手を当てるも、何も出てこない。そういや、腹減ってんなーとふと実感した。
ノスディシア「おい!?何やってんだガキ……?」
しゃがみこんだ俺のせいで扉の奥に詰まったノアさんが俺の背中に躓いた。
怒られたけど気持ち悪さでそれどころじゃなくて返事が出来ん。ごめんノアさん。
フィール「コウタ、どうした。どこか痛いのか?」
ノスディシア「この状態だと明らかに吐き気だろ考えろバカフィール」
ポンポンと交わされる会話は、耳をすり抜ける。理解が追いつかない。頭がごちゃごちゃしていて分からない。
…その事だけでも伝えなければ。この2人なら解決策があると思うから。
コウタ『あ、たま゙…ごちゃごちゃで気持ち悪ッ』
床にぶっ倒れそうでノアさんの腕を掴みながら何とか伝える。
フィール「頭がごちゃごちゃ……魔力の感じ取りのせいか?コウタ、それを止めることは出来るかい?」
緩めに首を横目に振ってNOを伝える。
ノスディシア「(コイツは魔力の感じ取りを優先させたせいで根本的な【制御】を行っていない…だからか。)おいフィール、“魔力抑え”を使え」
フィール「“魔力抑え”は容疑者に使うものだろ…嗚呼、なるほどな。自分の魔力ごと抑えるのか。分かった……レグルス!“魔力抑え”を持ってきてくれ!!」
フィールが誰かに叫んで、誰かが何かを持ってきて。その何かが俺の腕にぺたりと貼り付いた。
コウタ『ぅえ…?』
刹那。
頭のモヤモヤがゴッソリと消えて、自分の思考が戻ってきた。
俺に何かを貼り付けた人が俺の瞼に手を当てて
??「コウタくん、目を閉じて。一旦眠ろ?疲れたでしょう」
と言う。安心感からか、疲労感からか、意識はコトンっと闇に落ちた。
レグルス「フィールさん、コウタくん眠りました」
白騎士寮の騎士の1人であるレグルスがコウタを支えながら報告した。
フィール「嗚呼、助かった。ありがとうレグルス」
レグルスが廊下を通りかからなったら、コウタの状態は悪くなっていたはず。
そういう思いも込めて感謝を伝えると、レグルスは照れたように頭をかいた。
レグルス「いえ、偶然ですから…じゃあ僕はコウタくんを運んできますね」
と、コウタをおんぶで連れていった。
ノスディシア「ふぅーん?あのガキのアレ、初めて見たんだけど」
フィール「ああ、私もだ……コウタと同じ、【共鳴】しやすい者を何人か知っているがそのどの人も、コウタの様に体調が悪くなるということは無かったはずだよ」
しかも、【共鳴】しやすい者がコウタと同じく、周りの魔力を巻き込んで【反応】を起こすなど前代未聞であった。つまり、居ない。
フィール「異世界人だからなのかは分からないけど、あの子はまだまだ私たちと違うところが沢山有りそうだ」
ねえ、コウタ。君は何者なの?
サラリーマンの異世界人です!!!((
コウタが他の人と違うところ
・魔法を使う順序
・魔力がごちゃごちゃになって体調を崩しているところ(魔力抑えを使えば解決可能)→ということは…?
ヒントとしては、コウタは元々日本に居て、魔力なんてものは身近に無かったということ。そして!赤ちゃんは体調を崩しやすい(異世界Ver)ということです!
自分でも話の内容がごちゃごちゃしてきて混乱しそうなのですが、これからも頑張ります💪
次回『星の子レグルスと許容量』












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!