始まりました、チキチキ魔力感じ分けレース!!参加者はコウタ・カンバヤシただ1人!これはやる意味あるんでしょうか。あるんでしょうね!フィールとノアさんが目ェガンギマリで見てんだからよォ!!!どう思いますか、解説のイマジナリー俺さん!!
ノスディシア「集中しろや」
コウタ『はい』
イマジナリー俺に聞く前にドスの効いたひっっくい声でノアさんに窘められてしまったので渋々やることにする。
椅子に座って魔法…それぞれの属性魔法だけど、それを出しまくる2人。
ふぇぇぇん、俺も椅子欲しぃ。
あ、待って22歳の姿の方で涙目想像しちゃった。寒気が……。なるほど、22歳でも男の涙目はやべぇと。じゃあ似合っちゃう奴はなんなんだ。男卒業してんのか。
ほぼ脳死状態で阿呆な思考を垂れ流す俺。……はい、ちゃんとやりますさぁせん!!
地味にプルプルする足に力を込め、周りを漂う魔力に集中する。ほぼ一体化しているソレらは、それでも僅かな違いがある。ただ、それはやべえくらい僅かすぎる違いなのでとってもとっても感じ分けるのは難しい。
そもそも、個人を見分ける前に属性魔法のパターンをさっさと覚えてパターンの感じ方を皮膚が感じてる色んなものから除かなきゃいけない。
順序としてはこう。
周りを漂う魔力→属性魔法のパターン→2人の魔力→一人一人の魔力
の順番で感じなきゃいけない訳だ。周りに満ちている魔力から属性魔法のパターンを取り分け、そっから2人の魔力を感じ分ける、的な。カレーライスからカレーを取り分けてさらにすり潰された人参をどけるみたいな。
これってさ、今はこんな風に安全な場所でやって、俺はそれだけに集中してるわけだけど。実戦で行うとなりゃ、敵の動向とか周りの状況も見ながらやらなきゃ行けないよな。騎士だし。
無理ゲーでは?????
コウタ『待って待ってタイムタイム』
フィール「?どうした、コウタ」
コウタ『これ、俺が習得するのって意味ある?…そりゃ、あんなところから助けて貰った…まあほぼ連行だったんだけどさ。その恩もあるからやれる事はやろうと思ってるよ?』
日本人として当たり前である。出来なかったら俺は母さんに顔向けできない。あの人だしブチ切れはしないけど、「恩は返さんとねぇ」なんてずっと言われて俺が心的外傷で寝込むに決まってるんだから!!!
コウタ『だとしても俺が戦場でコレを使うには無理があるよ。デメリットが多すぎ。これだけ会得に時間がかかるんだから、慣れたとしても意識はそっちに持ってかれる。周りを鑑みる余裕なんて生まれないよ。死んで終わりだ、そんなの』
俺死にたくは無いです。だってまだ華の20代前半。……オイ誰だよ鼻の20代前半って言ったの。
ノスディシア「そうだとしても、お前には使いようがあるでしょぉ。……ま、言っちゃえば捨て駒にでもすりゃぁ良い」
フィール「おい、ノア」
ノスディシア「ホントの事でしょ?少なくともリシュール様はこいつに使い方を見出してるワケ。だからオレ達が稽古つけてんのぉ。分かるぅ?」
訳:とりまさっさとやれアホ、というわけか。悲しい。
フィール「ノアが言った事も本当だ。皆、使える者を望んでいるし、それ以外には用なんてない。王室公認の異世界人であったとしても、王家の勝手で殺される可能性だってあるんだ」
コウタ『えっっ、こわ。ナニソレ愉快犯なのリシュール王子』
フィール「間違っては無い」
コウタ『おい、ちょっと』
言い切るなよ、主だろ!!!もっと、なんかこう…フォローのしようはあるじゃん!!?
フィール「だから、使えるものは多い方がいい。コウタは【共鳴】が属性全てにあることによって既に価値はある…が、他の人にそれが出来てしまったら。コウタの価値は薄まる。だから……」
コウタ『出来る事は多い方がいい、ね』
出来ることが多い事で疎まれて殺されるなんて事ないよな。有りそうなんだけどこの貴族社会。
ノスディシア「つか、戦場以外にも職場はあるでしょぉ。ナアニ、クソガキは自分の価値が戦場にしかないと思ってんの?アハ、ウケる♡」
コウタ『あのねノアさん、俺の生きてたところには適材適所ってのがあるの。1つしか出来なかっら必然的にそこしかないでしょ。選びようなんて、無い』
ノスディシア「はあ?てきざいてきしょがどんな意味かわかんねーけど1つしかなくても使いようだってさっきからいってんの分かんねーの?アホなの?死ぬ?」
後半はすごく暴言。能力は使いよう、ね。
少なくても、大人の社会に揉まれてきたとは自負してたけど。まだヒヨっ子だったって、ことか。
そう、だよな。適材適所以外にも考え方はあるよな。俺の可能性って一つだけじゃないよな。
なんでこんな事自分で分かんなかったのかな。あれか。精神年齢に引っ張られて周りが見えなくなってたんか。……そう思っとこ。
ノスディシア「ナヤミは解決?じゃあさっさとやれ。こっちも魔法をずっと出すのってかなり疲れんだから」
コウタ『はい……ってこれお前らが勝手に始めたんだよな!!!???』
拒否権無かったじゃん!!!
胸中でぶーぶー思いながらも目を閉じて周りの魔力を感じる。
今はフィールは火属性、ノアさんが風属性。ぶありとぶおんを探して…………あった。じゃあ、そっからフィールとノアさんで分け、てと。まずはフィールの魔法からパターンをどける。ぶありの中から動かない魔力を見つける。動かないっていうか流されてる魔力。パターンの中で魔力は回っている。此処の人は、皆魔法を出してそこから動かし方を覚えるって言ってたから動いてるのは大半で、1部は流されて効力を発揮するものもあるんじゃないかって思ったんだよね。
………………あった。よし、次ノアさん。同じようにパターンをどけて、ぶおんの中から動かない魔力を…………あった!
よし。じゃあテストだ。2つの魔力が分かんないようにごっちゃまぜにして……。
コウタ『ごめん、違う属性魔法にしてもう1回お願い』
2人が魔法ボタンを握り直した音が聞こえ……動き方は水と光。地味に優しいフィールの魔力と地味に尖ったノアさんの魔力がある。あるってことが分かるってことは……!
コウタ『出来た!感じ分け、出来たよ!』
フィール「よし、じゃあもう一度【共鳴】だ」
フィールが火属性魔法を出す……俺の魔法ボタンが熱くなって。これまでならバカでかい反応が出ていた。それは周りの魔力を知らない内に巻き込んでいたから。
でも。
コウタ『あっ……!』
俺の魔法ボタンから出た反応は、小さい。マッチで付けた火のような大きさしか無かった。
バッと顔を上げ、2人を見る。フィールは目を丸くして、ノアさんはニヤッと笑って。
フィール「成功だ。よくやった」
ノスディシア「やるじゃん♡」
俺の長い戦いは終わった。
今回の話では、前話で話していた魔力の感じ分けについて触れました。読んでいて生まれるのは、コウタ以外にも感じ分けができる人っているでしょって疑問だと思います。結論、他の人は出来ません。なぜなら幼い頃からの刷り込みで魔力の動かし方を覚えているからです。
コウタは、魔法のない現代社会に生まれ、適合していました。しかし、急に異世界に飛ばされ、挙句、これまで使えなかった魔法が使えるようになった。新しいことを覚えるのって、大体自己流なんですよね。周りからの刷り込みではなく、自分のやり方でやったせいで周りの魔力を巻き込んでしまうという問題点が生まれ、それを解決する為に魔力の感じ分けを習得したんです、コウタは。(もちろん、特異性であるごちゃごちゃになった魔力を感じることは元からできていましたが)
というわけで、もとから自分のみの魔力を使い、問題点がない他の人には感じ分けは難しいということです。
次回『感じ分けることによる問題点』







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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。