ノスディシア「これからお前には【共鳴】の反応を抑えるための訓練を行ってもらう」
と、30分前に言われた俺は_____
コウタ『アッッッツイ!!水水水!!!!!!』
ひたすら繰り出される魔法に共鳴しながら反応を抑えるためにスタットカールを握りこんでいた。因みに小さくすることには成功していない。さっきから特大火柱が手の中から上がっているところ。
時折ノアさんが出す水に手を浸して火傷してそうな手を冷やしながら。
ノスディシア「あはぁ、こんなにも出来ないとは思わなかったぁ♡」
コウタ『その割には嬉しそうだけどな!!…アッ火柱がっっ!』
フィール「コウタ、他のことに気持ちを逸らすな。魔力をコントロールしろ」
コウタ『その気を逸らしてる犯人あんたの部下ァ!!!!!』
属性魔法を出してくれているフィールに窘められるけどその会話ですら俺の【反応】がデカくなる要因な気がしてる。
ノスディシア「敵がそこにいると思ってやるんだよぉ。見つかったら殺されちゃうと思ってやりなぁ」
コウタ『【反応】を出しただけで殺されるの!?この世界!!!そりゃ訓練が必要なわけだわ
!!!』
フィール「【反応】の制御訓練は誰もがやらねばならない事だからね。騎士であれば」
コウタ『俺は騎士では無いんだけど』
ノスディシア「リシュールサマが仰られた事だから♡」
コウタ『王族命令ッッッ!!』
掛け合いの最中でさえも魔法は出されるので、俺は魔力を抑え込もうとすることに躍起になる。その結果大雑把になり過ぎて【反応】が大きくなってんのかなー。とは思うけど!!!
魔力を抑え込むってこんなにも難しい事だったんだァ。
フィール「(やはり一日では出来ないか……。コウタの反応は私が見てきた誰よりも大きい。そう簡単に抑えるのは至難だな)」
コウタ『待っって!!?フィールなんか魔力の濃さ上がってない!?なんかフィールの周りモヤモヤしてるの濃くなったけど!?』
フィール「……?待て、コウタ。君は魔力が見えるのか?」
コウタ『へ???……いや、見えるっつーか感じるんだけど。え、モヤモヤを感じるのって万人共通じゃないの?』
ノスディシア「んなわけない、でしょぉ。お前魔力見える癖に抑え込むの苦労してんのぉ?ナニソレ、意味わかんなーい」
コウタ『俺もなんでこんなボロクソに言われてるのか理解できなーい』
フィールが瞑目し、ノアさんに一歩引かれた。なんでこんな反応になってんの?
てか魔力が感じるだけで抑え込むのが出来たら一発で出来るんだよなぁ。
コウタ『そもそも魔力の感じ方っていうかなんて言うか、出てる魔力って全て一緒らしくて。感じてもごっちゃごちゃになっちゃうからどれが俺の魔力でー、とか分かんないんですよね』
だから抑え込もうとしたものがフィールの魔力と混ざったりするとでかい火柱…【反応】が上がる。それは属性に染まっている魔力がまっさらな魔力を染めていってしまってるからだと思ってる。
ふっ、どうよこの名推理。会社でちょっとした事件(備品が壊されたーとかそんなやつ)が起こった時万一にでも俺に火の粉が掛からないようにさっさと犯人を見つけることに躍起になってた俺の経験が生かされた!!!
この世界、それくらいしか活用できない悲しき事実!!!
ノスディシア「じゃあお前は、魔力が混ざらなきゃ【反応】は抑え込めるってことぉ?うわっ、なんかウザぁい」
フィール「これは【反応】の制御より先に魔力を見分けることを練習した方が良かったかもな」
ノスディシア「オレらは魔力見分けるなんて出来ないのにどう指南するわけぇ?他の奴らだって出来ないでしょぉ」
フィール「やるとすればコウタの自己流になってしまうな」
コウタ『絶対そしたら時間掛かるけど?』
フィール「だが、やらないよりマシだ」
コウタ『ゑ???』
フィールがどっかから椅子を持ってきて俺をそこに座らせた。ほかの二人も椅子に座った。なに、なにが始まるの!?
フィール「今から私たち二人はずっと魔力を出し続ける。それを感じ分けれるようになってくれ」
ノスディシア「オレが態々やってあげてるんだからぁ、習得、しろよな♡」
コウタ『いや、無茶だって!!!!!』
俺の叫び虚しく、二人の魔法に掻き消された。
普通!この世界の人達は【魔法を出す】という行為の中で魔力の使い方を覚えます。例えば「火属性の魔法がでたから火属性の魔法の時はこの魔力(力)の込め方だな!」的な。
コウタは【魔力を読み取る】→【魔力をスタットカールに込める】→【魔法を出す】→【出し方のパターンを覚える】
というように練習していました。ですが、普通の人は【とりまやってみる】→【魔法を出す】→【あっ、これが魔力の使い方ね。おk】
と、半ば無理矢理覚えます。そこが違うところですね。
話の中でも出てきたように、コウタの【反応】か群を抜いてデカかったのはコウタが他の人の魔力まで巻き込んでいるからです。
では、思い出して下さい。コウタの【共鳴】を調べる際、魔法を出していた王子二人は別室…しかも少し離れた場所にいました。しかし、コウタがアレだけ大きな【反応】を出せた、というのは王子二人の魔力が巻き込まれていた、ということ。
どれだけ、コウタは魔力を読み取る力が、優れているのでしょうね…?
次回『魔力の感じ分け方(コウタ流)〜二人の無茶ぶりを添えて〜』です!お楽しみに!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!