リム side
その日の深夜。
私はちょっと考えごとをしていた。
手元には1冊の本がある。
私は、もう1度その本に目を移す。
その本は、少し小さめの子供向けの本だった。
まほうつかいは みぃんなこわくてね
なにもわるくないひとを まほうでおそっちゃうの
だからね、まちのえらいひとが きょうりょくして
まほうつかいを ものがたりに とじこめたんだ
だからね、もう まほうつかいは ここにはいないの
ものがたりの なかで、ずっととじこめられているんだ
この内容を要約すると、魔法使いは悪者だから、国の役人に物語に閉じ込められた、ということになる。……なんか、あまり子供が読むような内容ではない気がする。あとファンタジーすぎ。
でも、もちろん私たちは無差別に人を襲ったことなんて1回もないし、ちゃんとここにいる。物語に閉じ込められてなんかいない。
つまり──この物語の内容は全部嘘だ。
他にも不可解な点は結構ある。それは──
私もレムも、何でこうなったのかが全くわからない、ということだ。
実は、私たちはこの国の姫……王の娘だった。
城は迷うほど広く、毎日食事も豪華。
レムがいたこともあって、毎日はけっこう楽しかった。
庭以外、外に出るのを禁じられてたのは嫌だったけど。
でも、転機は急に訪れた。
数年経ったとある日の朝、私たちはこの家のベッドで目を覚ました。本当に突然だった。昨日まではなんの変哲もなかった。いつも通り、城のベッドで眠りについたはずだった。
それから少し探索すると、ここは強い魔物が多くいることで有名なマトモラシアの森だということがわかった。
そこで私たちは、手がかりを求めて街へ向かおうとした。
すると──
──謎の手紙を見つけた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。