第74話

70話 真相
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2024/05/05 07:00


おんりー
おんりー
俺のせい、って……
どういうことだよ……?

そんな、訳……っ




お兄ちゃん
お兄ちゃん
仮想世界からログアウトする方法、
知らないだろ?
おんりー
おんりー
何言って……

現実世界に帰るには、魔王討伐をすればいいん
でしょ?








































…………いや。



よく、思い返してみれば……




システムコンソールを見たあの時。

あそこに書かれていたのは……










ログアウトするには

"この世界での最終目標を達成する必要がある"




というだけ。

具体的な内容は、一切明記されていない。


なんで、今まで気づかなかったの………!?






言葉に詰まる俺を見て意地の悪い笑みを浮かべる。
お兄ちゃん
お兄ちゃん
教えてやるよ







お兄ちゃん
お兄ちゃん
ログアウトのためのトリガーは








お兄ちゃん
お兄ちゃん
プレイヤー1のHPが0になる……
つまり、お前が死ぬことだよ






おんりー
おんりー
なんだよ、それ………っ


最初から、俺が死ぬ以外にみんなを帰す方法はなかったってこと?


俺が、もっと早く死んでいれば、みんなは既に現実世界に帰れてたの?







…俺が、みんなを苦しめてたの……?


俺が…………っ





お兄ちゃん
お兄ちゃん
お前の性格からして、あいつらに
迷惑かけたくないんだろ
なら、さっさと死ねよ



















おんりー
おんりー
……そうだね
それがいいや
ぽつりと呟く。





この世界にみんなが一年間も囚われていたのも。

秋にパラサイトのとの戦闘で傷ついたのも。

この間、グレアに瀕死の状態まで追い詰められたのも。


全部全部、俺のせい…なんだ。


俺がもっと早く死んでいれば、そんなことにはならなかったのに。







それなら……

俺は、一刻でも早く死んでみんなを現実世界に帰さなきゃ。


それが、一番いいんだよね?












この世界に来るまでは、こんな思考をするようになるとは思ってもいなかった。


それまでの俺には、親の言う通りの"優等生"でいる
ことしか頭になかったもん。


でも、みんなと出会って………

もっと大事なことを知って。

みんなが、何よりも大切で、大好きになって。
みんなと過ごす毎日はすっごく楽しくて、幸せだった。









なのに。



なんで、こんなことになっちゃったんだろうね。





俺が、みんなと出会ったこと自体が間違いだったのかな……












俺は……



生きている価値なんてあるのかな。










……この疑問、あの日…

この世界でも死ぬってことをみんなに伝えたあの日の夜も考えてたな。
あの時は、考えるのが怖くて、すぐに考えるのをやめたけど。



今なら分かる。


解は否。


俺は、生きてるだけでいろんな人に迷惑をかけて、
苦しませている。

価値なんて、あるわけない。













みんな。


ごめん…………












お兄ちゃんが俺の首を締める力がさらに強くなって、呼吸が出来なくなる。


このまま………



































おらふくん
おらふくん
おんりーっ!!
おんりー
おんりー
っ、!





聞き慣れた、大好きな声。

おらふくん………っ





でも、ここで聴こえるわけ…



そう思うと同時に、青い光の光芒がさす。

お兄ちゃんの手が離され、俺は床に座り込む。

本能が酸素を求め、荒い呼吸を繰り返す。





おおはらMEN
おおはらMEN
おんりー、大丈夫か!?
顔をあげると、心配そうに俺を覗き込むMENの顔が
見える。
おんりー
おんりー
めん……
 






ぼんじゅうる
ぼんじゅうる
うえっ!?ここ、どこだよ!
場違いに呑気に騒ぐ声。

ぼんさん…





ドズル
ドズル
おんりーは…無事だね
よかった………
ドズさん……!






おんりー
おんりー
みんな……なんでここに…

ここはおそらく、システム内の空間。

俺は強制テレポートされたから来れたけれど、GM
権限のないみんなが来れるわけがない。
おらふくん
おらふくん
おんりーがいきなり消えて、僕らが
焦ってたら、例の神的な何かが話し
かけてきたんよ

いつのまにか横に来ていたおらふくんが説明してくれる。
おおはらMEN
おおはらMEN
なんか、おんりーがピンチだから
助けに行かないかって言われて……
おらふくん
おらふくん
そんなの 助けに行くしかないやろ?
だから、その人に頼んでテレポして
もらったんよ
ぼんじゅうる
ぼんじゅうる
無敵のぼんじゅうる様が来たから、
もう安心していいからな!
ドズル
ドズル
無敵の……?
おらふくん
おらふくん
ぼんじゅうる……?
ぼんじゅうる
ぼんじゅうる
別にぼんじゅうるに疑問は
ねぇだろw!

みんなのいつもの雰囲気に緊張していた気分がふっとほぐれる。















………いや。






おんりー
おんりー
……みんな。
助けに来てくれて、ありがとう


おらふくん
おらふくん
そんなのいいんよ!
おんりーが無事ならそれで!










おんりー
おんりー
でも…



おらふくん
おらふくん
…おんりー?



















おんりー
おんりー
…おらふくん、……みんな。
ごめん




おらふくん
おらふくん
え?
ぼんじゅうる
ぼんじゅうる
ごめんって……
謝ることなんてねぇだろ?
 








おんりー
おんりー
俺、早く死なないといけないから
 

無感情な俺の声に、みんなの表情が固まる。











ドズル
ドズル
おんりー…、?
おおはらMEN
おおはらMEN
何言ってるんだよ………?



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