第30話

甘やかし大会、開催
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2026/02/21 05:24 更新
森本side
「……寄りかかってもいい?」

から始まった、甘え練習。

樹に寄りかかってたはずなのに。

ジェシーが騒ぎ。

北斗が冷静に観察し。

その空気を――

ドアの前で見ていた2人がいた。

髙地「なにそれ」

大我「楽しそう」

終わった。

慎太郎「いやこれは違くて!」

ジェシー「甘え練習中でーす!」

大声で言うな。
髙地の目が一瞬丸くなる。

大我がにやっと笑う。

大我「甘え練習?」

樹「こいつが自分から甘える挑戦してる」

言うな!!

一斉に視線が集まる。

逃げたい。

でももう遅い。

髙地がゆっくり近づく。

髙地「じゃあ俺にも来なよ」

え?

慎太郎「は?」

髙地「平等でしょ」
ジェシー「公平性大事!」

なんの会議。

北斗「順番制にする?」

やめろ。

でも気づいたら、囲まれてる。

樹の肩から引き剥がされ。

次は髙地の隣。

髙地「ほら」

優しい声。

慎太郎「……ちょっとだけだからな」

寄りかかる。

髙地の手がそっと背中に回る。

包まれる感じ。
あ、これダメだ。

安心する。

大我が前にしゃがみ込む。

大我「顔赤いよ」

慎太郎「うるさい」

ジェシー「次俺!」

樹「並べ」

北斗「静かに」

楽屋がカオス。

でも全員の目が、優しい。

ジェシーが後ろから抱きつく。

ジェシー「慎太郎は愛され担当でーす!」

慎太郎「担当決めんな!」
大我が頭をぽんぽん叩く。

大我「よく自分から言えたね」

その一言が、刺さる。

髙地が小さく言う。

髙地「ちゃんと甘えられて偉い」

樹「昨日より顔いいな」

北斗「呼吸も落ち着いてる」

分析するな。

でも、全部嬉しい。

慎太郎「……なんかさ」

全員が見る。

慎太郎「ちょっと恥ずいけど」

深呼吸。
慎太郎「悪くない」

一瞬、静かになる。

次の瞬間。

ジェシー「はい可愛いー!」

樹「うるせぇ!」

髙地「録音しとけばよかった」

北斗「次も言わせよう」

大我「定期開催だね」

やめろ。

でも笑いが止まらない。

胸があったかい。

甘えるって、こんなに騒がしくていいんだ。

慎太郎「……もう少しだけ」
小さく言う。

誰も茶化さない。

ただ、距離が近くなる。

囲まれる。

守られる。

末っ子でよかった。

そう思えた瞬間だった。

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