なろ屋Side
僕はなろ屋。この天界のトップ、天王だ。
三界会議がめんどくさい、というか嫌な理由。
それは、魔王が乱暴すぎるから。
まぁ、愚痴をこぼす前に、前の書類を片付けないといけないといけないんだけどさ。
前には、堕天した天使の人数を記した資料と、輪廻転生した魂の数の資料やらなんやら。
会議までにこれをまとめないといけない。
堕天ってのは、天使がなんらかの理由で悪魔になること。
なんらかの理由ってのは、いじめがあった、泣いた、とかね。
輪廻転生ってのは、死んだ魂を生界に、新しい生命として生まれ変わさせること。
渋々、羽ペンに手を伸ばそうとしたその時。
ある天使が、僕の仕事部屋に勢いよく入ってきた。
僕はすぐさま、口調を変える。
天使のみーんな、僕の“天王”の部分しか見ていない。
魔王を受け継ぐには、自分の魂の他に、魔王の魂を持たないといけない。
魔王の魂を持つと、魔王がやる事が一瞬でわかるようになる。
だから、他の悪魔や死神がやることを教えることもなくてすむ。
性格が同じだったらどうしようかな。
今度こそ、資料をまとめようとした時。
僕の側近、かいてぃーが仕事部屋に押し入ってきた。
かいてぃーは、赤メッシュが特徴的で、目が赤色の太陽のような性格の天使だ。
そして、天使の中で唯一、“なろ屋”を見てくれる。
かいてぃーは、走ってきたようで、息が荒くなっている。
確かに、新しい魔王の名前は気になる。
ーー”翔“だ。
翔。それは僕の、前の側近。
僕の手が、震えていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!