- あたしは全てを仁菜に話した
仁菜は" 辛かったね " " よく耐えたね "って
自分も泣きながら話を聞いてくれた
仁菜に話せて____良かったな
コンコンッ
あなた:?はーい
角名:あなた,ただいま
あなた:りんくん!おかえりなさい!
- 部活終わりのりんくんが帰宅した
りんくんは微笑みながら部屋に入ってきた
そして____
治:お邪魔します
侑:………
あなた:え……?
- りんくんに続いて
侑くんと治くんも入ってきた
角名:二人もあなたのお見舞いしたいってさ
あなた:え……?
侑:別にそんなこと言うてへんし
治:お前が言うたんやろがアホ
侑:はぁ!?
- 侑くんが____?本当に?
侑:その____体調どうなん?
あなた:え……?
- 角名くん,治くんに続いて
侑くんもクッションに座った
あなた:もう全然大丈夫だよ!熱も無いし!足も大分平気!
侑:……そか
- 侑くんが少し微笑んでくれた気がした
あなた:侑くん,昨日は本当にありがとう!
侑:べ,別に俺何もしとらんし……!
あなた:ううん。侑くんが居なかったらきっとあたしもっと酷くなってたと思うから…!
- 『 だからありがとう 』と微笑んだ
侑:ええけどもう無茶したらあかんで?
あなた:え……?
侑:迷惑かけとおないのは分かるけどその分みんな心配するんやで
- 『 せやからもっと頼ってや 』と侑くんに言われた
頼り方なんて____忘れちゃったよ
あなた:うん……わかった。ありがとう…!
侑:ほんまに分かったんか?
あなた:え……?
- グイッと侑くんが顔を近づけてきた
侑:……やっぱ綺麗な顔しとるよな
あなた:え……?
- あたしの顔を見ながら侑くんはそう言ってきた
角名:侑,近すぎ
侑:え
あなた:……!
- りんくんによってあたし達は引き剥がされた
" 綺麗な顔してる "って____言ってくれたよね?
角名:そう言えばあなたの好きな杏仁豆腐買ってきたよ
あなた:え,杏仁豆腐…!?
角名:はい,どうぞ
- 袋からりんくんが杏仁豆腐を出してくれた
しかもみかん入り!嬉しい…!
あなた:りんくんありがとう!
角名:いーえ
- りんくんは優しく微笑んでくれた
治:俺からはこれ
あなた:?おにぎり……?
治:せや。やっぱ飯食わんと元気にならんよ
あなた:ありがとう…!
- 治くんからもおにぎりを貰ってしまった
中身はりんくんから聞いたのかエビマヨだった
侑:ん
あなた:え……?
- 侑くんからは袋ごと差し出された
侑:元気になってからでもええから食べや
あなた:え……?
- 袋を開けるとそこには
新作の苺のスイーツが入っていた
角名:あ,侑これ買ってたの?
治:えらい隠すから何かと思ったわ
侑:うっさいわ!
- これは侑くんが自分で選んでくれたんだ____
あなた:侑くん
侑:ん?
あなた:あたし苺大好きなんだ!ありがとう!!
侑:……!
- 侑くんは少し照れながら
『 はよ治すんやで 』と笑ってくれた
治:あ,これ……
侑:?
- 治くんが見つけたのは____凛々華の雑誌
治:あなたもこの子のこと好きなん?
あなた:え……?
侑:人気なんやってなぁこの人
- 侑くんと治くんは最近知ったようだった
治:んー……
あなた:……?
- 治くんがあたしと表紙を見比べてくる
治:やっぱり似とると思うんやけど気の所為?
あなた:え……?
- 治くんは表紙の凛々華とあたしを並べて見比べた
角名:やめなよ
治:あ……!
- りんくんが治くんから雑誌を取り上げた
角名:そうやって比べるの良くないよ
治:え……?比べたと言うか似とるって思っただけやで?
侑:……?
- 侑くんも治くんも" ? "を浮かべていた
角名:似てる人なんて居てもおかしくないでしょ?
治:お,おん……まぁな?
侑:角名,なんでそんなに怒っとるん?
- 確かにりんくんは物凄く怒った顔をしていた
でも____それはあたしのせいだ
あなた:りんくん,大丈夫だよ
角名:あなた………
- りんくんはあたしを見て眉を下げる
そんな悲しそうな顔_____しないで
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!