第32話

どうして私なんかが
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2020/09/09 06:07
気づいたら午後の授業なんて終わってて。

そらくんの「あなた部活行かないの?」って声で我に返った。
あなた

えっ……あ、あぁ勿論行くよ!先行ってて!

教室には私たち含めて8人ぐらいしかいなかった。

慌てて帰りの用意をしようとロッカーに向かうと、
木村瑠衣
かばん持ってきました
瑠衣くんが私のかばんを持って来てくれた。
あなた

え、あごめん!じゃあ3人は先にi

赤坂悠莉
待ってるから早くして
先に行ってて、って改めて言おうとしたら悠莉くんに遮られた。
あなた

……ごめんね、

私のことを気遣ってくれてるんだろう。

正直1人で部活向かうなんて怖かったし、ありがたい。
木村瑠衣
こういうときはありがとう、でいいんですよ
静かに言ってくれる瑠衣くん。

けどなんて返したら良いのかわからなくて、

気づかないフリをして、帰りの用意をした。
**
あなた

さてと。行こっか

みんな
はーい
準備を終えて、部活に向かう。 
赤坂悠莉
そろそろ俺らも曲もらえないかなー
いちおう仮ではあるけどパートが決まって1週間。

みんな音はだいぶ出せるようになってきてて、確かにそろそろ曲をもらってもいい頃。
木村瑠衣
悠莉は何吹きたいの?
赤坂悠莉
えー俺は………なんかディズニーの曲、とか?
吹奏楽定番っていったらやっぱsingsingsingとか、宝島とか……そういうのが思い浮かぶけど、最初はそんなゴリゴリなのは難しいし。

私もディズニーとかなら吹いてみたいかも。
青木そら
曖昧だなぁw
赤坂悠莉
じゃあそういうそらくんはなんかあるの?
青木そら
んー………ま、まぁ、なんかみんなが知ってる曲とか?
赤坂悠莉
お前も曖昧やんけwww
青木そら
うるせぇwww
木村瑠衣
www
あなた

www

ていうか、そんな場合じゃない。

コンクールの曲練習しなきゃいけないんだもん。

なんだかんだ言ってコンクールまで2ヶ月切ってる。

相当頑張らないと。
???
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