ーNO sideー
練習室の隅。
そこは、スンミンとフィリックスにとって、すっかりお馴染みの、そして少し特別な場所だった。
日課のように、リノとヒョンジンが汗を流す姿を見に来ている二人。
今日も、彼らの熱気と笑い声が心地よく響いている。
リノの声が響く。
ヒョンジンがくるりと振り向くのが見えた。
練習の合間の休憩時間。
いつも通りの和やかなムードが練習室を満たしていた。
ハンはアイエンの肩にもたれかかり、二人で一つのスマホを覗き込んでいる。
彼らの指が小刻みに動き、画面の中のキャラクターが激しく戦っているのが見て取れる。
ハンは嬉しそうにアイエンの頬にキスを落とした。
その時、練習室のドアが開き、バンチャンとチャンビンが入ってきた。
いつものように元気な挨拶が響く。
だが、続くチャニヒョンの声は、いつもの賑やかさとは少し違っていた。
少し、いや、かなり真剣な響きだ。
その一言で、メンバーたちの顔から笑顔が消える。
ゲームに夢中だったハンとアイエンも、スマホから目を離して二人を見た。
リノもヒョンジンも、スンミンとフィリックスも、全員がバンチャンとチャンビンの動きに注目する。
チャニヒョンは、チャンビンヒョンの肩にそっと手を置き、目を合わせる。
そして、真っ直ぐにメンバーたちの目を見て、ゆっくりと言葉を紡いだ。
その言葉が放たれた瞬間、練習室は完全に静まり返った。
あまりのことに誰も言葉を発せない。
スンミンとフィリックスも、驚いたように大きな目をして二人を見つめている。
最初に沈黙を破ったのはヒョンジンだった。彼は口元を手で覆ったまま、呆然とした声で呟いた。
ハンの声も震えていた。
そんな中、アイエンだけが満面の笑みを浮かべていた。
みんながそれぞれの反応を見せる中、バンチャンはチャンビンをさらに強く抱き寄せた。
そして、もう一度、ゆっくりと、しかしはっきりと、全員の目を見ながら告げた。
再び、練習室は静寂に包まれた。
リノの声には、信じられないという気持ちがはっきりと表れていた。
ヒョンジンはまだ口元を手で覆ったままだが、その目には動揺が隠せない。
スンミンとフィリックスも、顔を見合わせては、またバンチャンとチャンビンヒョンを見つめ、驚きと感動が入り混じった表情をしていた。
チャニヒョンが力強く頷くと、まず動いたのはハンだった。
彼の目から大粒の涙が溢れ出した。
ハンは、アイエンにしがみつくようにして泣き出した。
アイエンはそんなハンの背中を優しく撫でながら、自分も少し涙ぐんでいた。
ヒョンジンも目に涙を浮かべながら、隣にいたフィリックスの腕をぎゅっと掴んだ。
リノは、まだ少し信じられないといった表情だったが、やがて小さく笑った。
リノヒョンの言葉に、スンミンはたまらずツッコむ。
スンミンは耳まで赤くなっている。
リノはそう言いながら、照れているスンミンの頬にそっとキスを落とした。
スンミンはもう何も言えず、視線をそらした。
チャンビンが、涙を浮かべながら、しかし幸せそうに言った。
その言葉を合図にしたかのように、メンバーたちが一斉に彼らに駆け寄ってきた。
バンチャンとチャンビンは、たくさんの腕に抱きしめられ、その重みに幸せを感じていた。
バンチャンは、優しく微笑んで答えた。
その言葉に、ヒョンジンが力強く頷いた。
フィリックスが嬉しそうにヒョンジンの腕に抱きつき、ヒョンジンは満足そうにフィリックスの頭を撫でた。
みんなの笑顔が、チャニヒョンとチャンビンヒョンの心を温かく包んでくれた。
この大きな一歩は、彼らの人生を、そしてStray Kidsの歴史を、さらに色濃く、特別なものにしてくれるだろう。
この日、Stray Kidsのメンバー全員が、それぞれの愛と幸せを掴んだ瞬間だった。
彼らは、音楽と共に、そして愛する人たちと共に、どんな困難も乗り越え、永遠に輝き続けるだろう。
彼らの物語は、これからも続いていく。
ーFin.
こちらでこの小説の番外編を更新していきます!!!
最後まで閲覧ありがとうございました!!!😭





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。