第4話

18
2024/11/24 13:49 更新
アルは、自分の病室へ近づいてくる人の気配を感じた。





足音がする。






アル
アル
また来たの?






ルナ
ルナ
私は毎日来るから
何回も言ったじゃん






アル
アル
はぁ…






アルは大きくため息をつき、考える。






自分がどれだけ言ってもルナはきっとここに来続ける。







ルナは私から離れようとなんてしないだろう。






分かってる。







ルナが私のことを大切にしてくれていること。







でも、きっと、ルナのためだ。






もうすぐ死ぬ私なんかと関わっていても、何も良いことなんてない。







じゃあ、どうすれば良いのだろうか。






アル
アル
ねえ






アルはか細い声をあげる。







ルナにどういう対応すればいいかなんて分からない。







でももう…







アル
アル
そっちは、どう?







ルナは少し驚いたようにアルの方を向いた。






ルナ
ルナ
どうって…






アル
アル
調子、いい?






ルナはパッと笑顔を浮かべた。







アルから話し始めたなんて、初めてかもしれない。






ルナ
ルナ
私ね、保育士になったんだ






アル
アル
保育士?







あぁ、ルナ、子供好きだったっけ







アルは思い出す。







下に弟妹がいるルナは子供を世話するのが上手く、







ルナ自身も子供が好きだった。







アル
アル
変わんないね、ルナ







アル
アル
まだ、そういうことやってるんだ






アルの言葉には毒があった。






ルナ
ルナ
うん。子供、好きだし






アル
アル
いいなー






アル
アル
好きなものとかあって






なんだろうか。






ルナはアルの言葉に少しした貶しを感じる。






アル
アル
いいよね、ルナは






アル
アル
好きなことも、やりたいこともあって






アル
アル
ずっと付き合ってる人もいるんでしょ?






アル
アル
ルナは私のことずっと思ってくれてるんだろうけどさ






アル
アル
わからないよ






アル
アル
未来のあるルナには、私の気持ちなんて






あー、もう






ルナ
ルナ
なんなの






ルナ
ルナ
私には、アルがなにを考えているのか、分からない






ルナ
ルナ
私に未来がなくて、明日死ぬとしても多分、アルの思うことなんて理解できない






ルナ
ルナ
だからさ、もう、何も言わないでよ






ルナ
ルナ
死ぬなんて、諦めるなんて、言わないで






アル
アル
はぁー






アルは、息を吐きながら笑った。






ため息をつきたかったのか






自分のことを小馬鹿にしたかったのか







ルナにはよくわからなかった。






アル
アル
なんかーありがとね






アル
アル
身に染みる話だった






笑いながら言うアルにルナは腹が立ってしょうがない。








刹那、ルナはバンッと机を叩いた。








痛い音が病室に響く。








ルナ
ルナ
いい加減にしてよ!






ルナの言葉にアルはビクッと体を震わせた。






プリ小説オーディオドラマ