アルは、自分の病室へ近づいてくる人の気配を感じた。
足音がする。
アルは大きくため息をつき、考える。
自分がどれだけ言ってもルナはきっとここに来続ける。
ルナは私から離れようとなんてしないだろう。
分かってる。
ルナが私のことを大切にしてくれていること。
でも、きっと、ルナのためだ。
もうすぐ死ぬ私なんかと関わっていても、何も良いことなんてない。
じゃあ、どうすれば良いのだろうか。
アルはか細い声をあげる。
ルナにどういう対応すればいいかなんて分からない。
でももう…
ルナは少し驚いたようにアルの方を向いた。
ルナはパッと笑顔を浮かべた。
アルから話し始めたなんて、初めてかもしれない。
あぁ、ルナ、子供好きだったっけ
アルは思い出す。
下に弟妹がいるルナは子供を世話するのが上手く、
ルナ自身も子供が好きだった。
アルの言葉には毒があった。
なんだろうか。
ルナはアルの言葉に少しした貶しを感じる。
あー、もう
アルは、息を吐きながら笑った。
ため息をつきたかったのか
自分のことを小馬鹿にしたかったのか
ルナにはよくわからなかった。
笑いながら言うアルにルナは腹が立ってしょうがない。
刹那、ルナはバンッと机を叩いた。
痛い音が病室に響く。
ルナの言葉にアルはビクッと体を震わせた。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。