『生きていたいよ。』
アルの体は叫び続けていた。
アルコールで消毒したはずの心は、アルコールのせいでどんどん黒く染まっていった。
内臓が、
身体中のありとあらゆる肉の塊が、
ただ、苦しそうだった。
とても痛かった。
幸せなんて、もうない。
生きる意味なんて、もうない。
…死ぬ勇気だって、ない。
このまま、自分が変わらなければ死ねるのだろうか。
何にも苦しまず、死ねるのだろうか。
アルは考えた。
答えなんて知らない。わからない。わかるわけもない。
でも。
変わらなくていいの。
全て変わらないでいい。
自分の中にいる何かがそう言っている気がする。
本当に?
本当に、そうなのだろうか。
…いや、知らなくていい。
私は、私たちは何も知らなくたっていい。
いきる理由も
生きる意味も。
だって
そんなの知ったら生きないといけなくなる
生きたくなってしまう
生きてないといけなくなる
全て、変わらなくていい。
そして、全て知らなくていい。
それが、一番楽なんだよ。
初めて、自分自身と分かり合えた気がする。
そうか、私はー
アルはまた、変わらぬ天井を眺めながら眠った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。