今日はみんなで夏祭りに来ている。
小さな頃に来て以来の夏祭りも屋台もキラキラして見えて、全部が夢みたい。隣で優しく笑ってる大ちゃんを見てこっそりドキドキする。ジュースを飲んでる横顔さえ、キラキラしててやっぱり好きやなぁって思う。きっと、僕のこの気持ちはもうごまかすことはできない。
そう言って、僕の飲んでたストローに大ちゃんが口をつける。間接キスにドキドキしてるのに大ちゃんは「こっちも美味しいなぁ」って何もなかったみたいに歩いてて不安になる。やっぱり、僕の片想いなんかなぁって。
大ちゃんは僕の口元を指で拭う。食べ終わってからも恥ずかしくて、俯いてると「流星、ほら、あっち行くよ。」って大ちゃんが僕の手を握ってくれる。
結局、6人で来てるのに僕と大ちゃんは2人だけの世界を作ってしまう。
大ちゃんから繋がれた手を離すタイミングも理由も見当たらなくて、僕達はそのまま、手を繋いでいた。
花火の時間が迫ると周囲はどんどん人が増えていく。
そう言って大ちゃんに腕を引かれると大ちゃんは僕を後ろからそっと抱きしめる。
久しぶりに観る花火はとても綺麗で、ずっと楽しみにしてたはずやのに、大ちゃんに抱きしめられてる僕はその事が気になって花火どころじゃなかった。
そう言って大ちゃんは僕を抱きしめていた腕を緩める。
そうしていつもと同じようにみんなと別れて大ちゃんと電車に乗る。いつもと違うことが一つあるとすれば、僕と大ちゃんはどちらからともなく手を繋いでいて、お互いにその手を離す気さえない事だ。
大ちゃん、僕を大ちゃんの恋人にして下さい。お願い。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。