俺には4つ下の妹がいる。
名前は桃乃。
俺は母子家庭で育ち、母は毎日仕事で帰りが遅い。
だから俺は桃乃と協力して毎日家事をやりくりしていた。
最近桃乃は随分と機嫌がいい。
帰ってきた時の顔が明るくて楽しそうで、俺は何があったのか知らないがとても順風満帆な学校生活を送れていそうで安心していた。
きぃちゃん、という子がいるのか、お勉強は苦手なのかな。
桃乃の言いぶりからして、もしかして学校でバカにしたりしているのではないか
そうして桃乃は身一つで玄関に向かった。
桃乃は頭は悪くない。
善悪の判断くらいは出来るやつだろう。
俺の桃乃は大丈夫。
そう、期待していた。
桃乃を疑いたくは無い、だがそれ以上に花王…さんに何かをしてしまった可能性があるのか、俺は怖くてたまらなかった。
パシッ
ブンッッッ
あれから俺らは病院に駆けつけ、ひたすら謝り続けた。
当の俺は頭を地面につけ、所謂土下座、なるものを繰り返し続けていた。
なぜなら
花王きらりの左目は永遠に見えなくなってしまったからだ。
そう言ってこちらを見た花王きらりの目は生気をまるで感じさせなかった。
若干茶色い瞳は、憎悪のためか、薄く赤く燃えているように感じた。
俺らは病室を重い背中を持ち上げて後にした。
その時のあの恐ろしさを俺らは忘れない。
忘れられない。
今日も現れる少年の夢
いつもは朧気なあの顔も
今日はくっきりしていた気がする
あいつだ...
あいつなんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。