第12話

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2024/03/27 03:04
間を開けると、病院の天井が広がっていた。

………………あれ、私どうしたんだっけ。

夏芽さんと話してて、それで…………。

駄目だ、その先が思い出せない。

身体を起こすと、頭が重い感じがした。

あー……これ熱あるやつ………………。
竜崎大河
起きたか
あなた
えっ
顔をあげれば、大河が怖い顔で私を見ていた。

……なんか怒ってる…………?
あなた
た、大河…………
竜崎大河
聞きたい事は山ほどあるが
取り敢えず帰るぞ
熱あるだろ、お前
あなた
多分……頭重いし…………
計ってないから分からないけど……
竜崎大河
待ってろ
体温計持ってくる
大河は出ていった。

…………絶対怒ってる。

怒られるのかな。

え、めちゃくちゃ嫌なんですけど。

大河の説教は長い上に正しいから反論できない。

………………逃げるか…………。
私はベッドをおり、ドアに向かう。

ドアを開けると、目の前に澪ちゃんが居た。
あなた
ぅえっ!?
驚き過ぎて変な声が出た。
桜庭澪
どこ行こうとしてたんですか?
あなた
えっ!?いやぁ……お、御手洗に……
桜庭澪
体調不良で倒れられたんですよね?
また倒れるといけないので
私もついて行きますね
あなた
あ、あと、喉が渇いて…………
桜庭澪
言って下されば買ってきますよ
あなた
あ、あと私の担当の患者の様子を……
桜庭澪
玲香先生があなた先生には
仕事をさせるなって言ってました
それに、風邪ひいてるんですよね?
その状態で行ったら免疫が下がってる
患者さんに風邪が伝染って
重症化しますよ?
あなた
……………………………………
桜庭澪
大人しく部屋で待ってましょう?
私は項垂れる。

そもそも、なんでここに澪ちゃんが居るんだ。

私は再びベッドの上に逆戻りした。
桜庭澪
流石大河先生ですね
あなた先生の事よく分かってます
あなた
え?大河?
桜庭澪
はい
澪ちゃんは先程の出来事を話し始めた。



______
竜崎大河
"桜庭"
桜庭澪
"大河先生?
……あれ?そこの病室って空室じゃ……"
竜崎大河
"今、あなたが使ってる"
桜庭澪
"えっ!?あなた先生、
どこか悪いんですか!?"
竜崎大河
"寝不足と栄養失調で倒れた
そこで、頼みたい事がある"
火神玲香
"私からもお願いがあるわ"
桜庭澪
"玲香先生……なんですか?"
竜崎大河
"俺は今から体温計を取ってくる
その間、あなたを見張っておけ"
桜庭澪
"えっ?"
竜崎大河
"彼奴は俺が目を離せば
必ず病室から抜け出す
だから見張っておけ"
火神玲香
"あなたに仕事は絶対にさせないで
体温計を持ってくるってことは
風邪引いてるってことでしょ?
患者に伝染されたら
たまったもんじゃないわ"
________
桜庭澪
____って
あなた
な、なるほど……
ごめんね、迷惑かけて……
桜庭澪
迷惑じゃないですよ
早く元気になって、また乙女で
飲みましょうね!
あなた
……うん、ありがとう

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