第29話

Episode 29
616
2024/03/14 15:27
慎太郎side

活動を続けることを決めた翌日、髙地が事務所に連絡。取り合ってくれた人は喜んでたとか。また再開日や発表は北斗が退院してから決めることにした。

北斗の病室

樹「もう半年経っちゃったらしいよ。きょもたち病院運ばれてから」

ジ「マジ?」

樹「マジマジ」

ジ「やば!」

京「半年も入院してたの俺……」

樹「そういう事だね」

髙「あれから身体は?」

京「大丈夫」

髙「なら良かった」

コンコン ガラガラ

先「失礼します。
  松村さん、義手について考えはまとまりましたか?」

北「あ、はい……。作業用?の義手を作って欲しいです…
  それがあれば踊ったり出来ますよね……?」

先「あまり細かい動きは出来ないかと思いますが、普通よりは綺麗なダンスが踊れると思いますよ」

樹「おお!すげぇじゃん」

先「慣れるまでしっかりサポートしていきますので、ご安心ください。ではまた義手については日を改めて説明しますね」

北「はい」

先「失礼します」

慎「……義手最初から作るつもりだったの?」

北「最初は作らないって決めてた。活動しないつもりだったから……。でも活動するならあった方が便利だなって思ったの」

慎「幻肢痛は……」

北「それはもう耐えるしかないでしょ。
  起こるのは外した時だからだいたい家だよ。大丈夫」

樹「撮影中とかに起こったらちゃんと周りに助け求めてね?我慢しないでよ?」

北「分かってる」

北斗にはこれから先ずっと誰かしらのサポートが必要になってくるだろう。
人間誰しも1人では生きていけない。だから迷惑なんて思う方がおかしいんだ。

樹「ねぇ……ずっと気になってたんだけどさ………」

ジ「ん?」

京「何だ?」

樹「あの…夫婦?殺したのって……」

ジ「あぁ……何とか畑さん家の……」

北「…松畑?」

ジ「そう!その人!!」

樹「俺たちが取り憑かれた慎太郎に導かれて行った場所……
  あれ何だったの……?」

ジ「そうだよ……北斗何か知ってる……?」

北「……松畑はゆうきくんの苗字だし、あの兄弟の両親で家なんだと思う……お兄ちゃんの方は両親を殺したがってたから……もしかしたら…俺か慎太郎にお兄ちゃんが憑依して殺したのかもしれない……誰が殺したかは分からない……」

樹「……そんな事だろうと思ったよ……。
  見知らぬ人を殺すなんて…ありえないし……」

慎「俺も本当に記憶が無い……
  家出てから病院で目覚めるまでの記憶が全く……」

樹「怖いよね」

京「俺も行ったな……そこで北斗を見た気がした……」

北「俺を見たの?」

ジ「そう、俺の後ろを指さして北斗!って言うから後ろ振り向いたら誰もいなかった……」

北「その時から京本自身が霊を感じてた可能性もあるし、本当に俺がいた可能性もある。断言はできない」

ジ「…北斗まで怖いこと言う……」

北「お前らに害のある幽霊はもういないから大丈夫だよ。
  安心して欲しい」

俺は全くもって記憶がないから何とも言えないけど、いろんな体験をしたであろうジェシー、樹、髙地、きょもは謎が多いままなんだろうな。もしかしたらこの謎が解き明かされることは一生ないかもれしない。

ジ「目撃者も当たり前のようにいないし、俺らだけ別の世界に放り込まれたのかと思ったから」

樹「分かる。もうメンバー以外誰も目に入らなかった」

髙「俺と大我よりも樹とジェシーはもっと大変な経験いっぱいしてるからね。それで精神病まなかったのは凄いと思う」

ジ「病んでたのかもしれないよ、お互い。だから気づかなかったのかも」

北「樹とジェシーには普通の人にはない力があるような気がする。ね?慎太郎」

慎「あっ…うん……笑」

ジ「え!?何それ!?」

樹「力?え?」

髙「何?w 怖w」

北「京本も感じてたりする?」

京「いや…特には……」

樹「何だよ力って。早く教えろ」

北「霊を寄せ付けない力。
  一般的に言う守護霊ってやつの力が2人は強い」

ジ「マァジ!?」

樹「やばw だから怪我してないの?」

北「そうだと思う」

髙「お前らそんなことも分かるのか…?」

北「うん。変な能力だよね。SixTONESはみんな守護霊強いんだよ。普通に比べたら」

慎「2人の守護霊のおかげで俺たちも生きて帰って来れたんだと思うよ」

ジ「周りも守ってくれるの?守護霊って?」

北「うん」

ジ「でもあの幽霊に対しては俺と樹しか守れなかった……」

慎「それだけ恨みが強かったってことだよ」

北「樹とジェシーの守護霊が強くなかったら俺と慎太郎は死んでたかもしれない。京本も意識回復までしてなかったかもしれない」

ジ「えっ……」

北「だから樹とジェシーは本当に命の恩人。感謝してる」

慎「俺も。マジでありがとう」

京「ありがとう」

髙「…俺からもありがとう」

ジ「いや〜hahaha! 急にそんな……hahahaha!!」

樹「おい照れるなよ〜!はっはっ笑笑」

そういう樹も照れてる。
出会った時からこいつらやべーなって思ってた。
デビューして、だんだん守護霊もパワーアップして最強になったように感じた。

プルルルルル プルルルルル

髙「あ、ごめん、俺だ。ちょっと…」

樹「うん」

病室を出て電話しに行った髙地。事務所かな……。

それから数十分後

ガラガラ

樹「お!髙地」

髙「ごめんごめん」

慎「事務所?」

髙「そう。どれぐらいで退院できそうかって聞かれたから先生に聞いて報告した」

樹「え、それ俺らも知らないのに」

髙「あと2, 3ヶ月ぐらいですかね〜だって」

ジ「おお、」

北「3ヶ月か〜〜」

慎「ほぼ義手のリハビリじゃない?」

髙「それもある。あとは体調ね」

平然としてる北斗だけど、実は我慢してる可能性もある。
幽霊に囲まれて慣れてるとはいえ、苦だと俺は思う。

樹「きょも」

樹が呼ぶと、一斉にみんなの視線がきょもに向く。

樹「きょも!」

ぼーっとしてるきょも……。

ジ「大我どうしたの」

京「え……?」

樹「体調悪い?」

京「ん……いや…ちょっと眠いだけ……」

北「お前やめな?メンバーに手出すとかマジでありえない」

きょもに取り憑こうとしてる幽霊を北斗が叱った。

ジ「何かいる?」

樹「霊?」

北「ここは京本にとって苦な場所かもしれない。
  背中の傷にみんな吸い寄せられてる」

俺もずっと気になってたけどどうしようも出来なくて……。
北斗も気になってたのかな……。

樹「えっ……!? そんな事ある!?」

ジ「幽霊が作った傷だから…?」

北「そう……」

樹「きょも帰ろう!俺も一緒に行くから」

京「え…でも……」

樹「気にしないで!早く行こう!
  じゃあお先に……」

ジ「うん、気をつけてね」

髙「また連絡する」

樹「分かった!」

樹がきょもを連れて帰宅。一緒に住んでるから丁度いいか。
活動再開してもメンバーの体調不良が続く日がもしかしたら出てくるかもしれない。俺も最近は何かだるくて……。
ハッピーエンドはすぐそこなのに……これ以上どんなバッドな出来事があるって言うの…?

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