明治元年(一八六八年)
時は幕末から明治へー
鳥・伏見の戦いで新政府軍に破れた旧幕府軍、江戸に逃れたのちに、東北各地で転戦を続けた
新撰組の副長、土方歳三も旧幕府軍についた一人だった
旧幕府軍と共に蝦夷地に上陸し、箱館にある五稜郭に入城する
しんしんと雪が降り積もる、その夜
土方歳三は、箱館にある海産物の卸問屋を営む町田正徳の屋敷を訪れた
床の間がある部屋、蝋燭の薄暗い明かりの中で、二人は向かい合って座っていた
土方の背後には、松と鹿が描かれた屏風が立てかけられている
髷を切り落としフランス式車服に身を包んだ土方は、愛力の和泉守兼定を脇に置いた
その堂々たるさまに気圧された正徳が、ごくりとつばを飲み込む
正徳は箱から刀を取り出し土方に差し出した
無言で力を持ち上げた土方は
手首を返し
刀を縦にして眺めた
五稜郭築城に合わせて作られたという星稜力は
鍔が五稜郭のように星の形をしている
土方が力を下げて正徳に戻そうとしたとき、障子の向こうに人の気配を感じた
と同時に、いきなり障子が蹴り破られて、刀や銃を持った男たちが入ってきた
政府軍兵の一人が刀を振り上げる
しかし、鬼の形相をした土方の凄まじい気迫に気圧されて、足が止まる
すり足で一歩前に出た土方は、星稜力をすばやく抜いた
その一振りで蝋燭の火が消える
挑発に乗った政府軍兵たちは次々と斬りかかった
土方は敵の左肩から斜めに力を振り下ろした
続けて別の敵を下段から斬り上げ、間髪入れずに斬り下ろす
すると屏風の後ろの襖がほんの少し開いた
襖の裏側に、別の政府軍兵が潜んでいた
襖を開ける音に気づいた土方は、刀を逆手に持ち替え、背後の屏風に突き刺す
屏風の後ろにいた政府軍兵が、血泡を噴いて倒れ
土方が屏風から力を引き抜くと、刀身についた血が屏風で拭われて飛び散った
その形は












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。