廉side
花が事故を起こした
トラックにひかれて
夜中の病院は
静まり返って
目の前の手術室のライトが付いていた
俺の背中は冷や汗でいっぱいで
紫耀が何故か俺の手を握っている
俺がもし
あの時...
そう思う度に
胸がとても苦しくて
先生『手術終わりました』
先生『誰か1人だけお話させてください』
俺は
先生に誘導されて
誰もいない部屋に入ると
先生『命に別状はなく済みました』
今はそれだけでも
よかった
生きてるだけで嬉しかった
先生『ですが1部記憶が戻るか分かりません』
先生『まだ麻酔が効いてますので
目が覚めてから確認させて貰います』
部屋を出てさっきの場所へ戻ると
次の日
面会開始時間から
急いでみんなで行った
先生『まだ目覚めるには時間がかかりますね』
俺はそっと
花の横に座り
花の手を握った
握り返しもしない
手を
ずっと強く握った
この後もずっと
沈黙の中僕は花を見つめた
1週間後
まだ花は目を覚まさなかった
もう半分諦めかけてた
でもまだ希望はある
みんなは2日に1回くらいしかこなくなったけど
そう強く願って手を握った
1週間まともに寝てなかった俺は
寝てしまった
目が覚めると
握った手が握り返されてた
5分後
先生『永瀬さん花さん起きて話すことも歩くこともできますがやはり1部記憶が無いみたいです』
花はそう微笑むだけだった
そうゆっくり言うと
俺の頬をゆっくり撫でてきた
俺の頬につたうやさしい涙
どうやら俺のことは覚えてないみたいだ
紫耀が急いでやってきた
少し怖がってる顔をして
前までの呼び方をしていた
つまり
紫耀との記憶はあって
山田くんとの記憶は少し前だけ
そして
俺との記憶はゼロ
なんで俺だけ
花の言葉は
初めてあった時のようだった
また1からか...















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。