第32話

俺とキミの記憶をたどって
442
2019/04/10 13:13
花が目を覚ましてから
1ヶ月
まだ記憶は戻ってないようだけど

少しづつだけ前のような関係にはして行った
白鳥 花
廉くん
永瀬廉
永瀬廉
なに花?
白鳥 花
あのさ
ずっと気になってたんだけど
永瀬廉
永瀬廉
どうしたん?
花は病室のベットに横になったまま
俺を見つめてきた
白鳥 花
廉くんと
私はどういう関係なの?
白鳥 花
名字は違うから
友達なのかな?
永瀬廉
永瀬廉
そうだなー
婚約者って
ところかな
俺の心は深く傷が付いたけど
花は知らない顔をしている
俺ももっと苦しいのは花だろうから
深くは話さないようにした
ゆっくり思い出すまで
あのとき
花を傷つけた分
今は俺が傷付くんだ
白鳥 花
そう...なんだね
永瀬廉
永瀬廉
うん
でもゆっくりでいいよ
俺はずっとそばにいる
俺は
そっと花のそばにしゃがんで
花の手に頬を乗せた
永瀬廉
永瀬廉
ゆっくり思い出しても
思い出せなくても
気にしなくていいんだよ
白鳥 花
もう1度今の記憶さえ
消えたとしても?
永瀬廉
永瀬廉
うん
花が好きになってくれるなら
それでいい
好きになれないならそれでいい
白鳥 花
でも今はそのまま
でいてね
なんか安心するの
白鳥 花
なんか懐かしいな
俺はハッとした
手から頬を離して
花を見た
花は窓の外を眺めていた
白鳥 花
桜綺麗だね
廉くんとの記憶無いのに
懐かしく感じる
この季節になると
なんか胸が踊る感じ
白鳥 花
体は覚えてるんだろうな
永瀬廉
永瀬廉
それだけでいいんだよ
また1から始めればいいじゃん
白鳥 花
そうだね
安心したのか 
そのまま俺は
眠りについてしまった
ここ最近まともに寝てなかったからなのか






俺は夢を見た
昔の頃の夢
確か春になると
あの河原に咲く
桜を花が欲しがったんだっけ
俺がまだ
10歳の頃
白鳥 花
んっ
と...どかない
花が桜の木に向かって
手を伸ばしてる
永瀬廉
永瀬廉
なにしてん
届くわけないやろ
白鳥 花
いや
違うの...
ここなら届くと思って
花が伸ばしていたのは
桜の木下に垂れ下がった枝だった
永瀬廉
永瀬廉
待ってろや
俺は花よりも背が高かったから
桜の木に手を伸ばして
桜の花を取った
永瀬廉
永瀬廉
はい
白鳥 花
廉くん
ありがとう!!
それからは毎年
この季節になると
花に桜をあげていた







ハッ
夢か...
白鳥 花
寝てたの
永瀬廉
永瀬廉
ごめんごめん最近寝てなくて
白鳥 花
いいよ
寝てていいよ
今年はまだ
花に桜渡してないや
でもほんとに
小さなさくらじゃ
お見舞いに来た人達の花束に負けるか
白鳥 花
どうしたの?
白鳥 花
なんかやっぱ私ささく...
永瀬廉
永瀬廉
あっそうや
花行ってくる
必ずとってくる
白鳥 花
うん!
白鳥 花
ってなんだろ行っちゃったわ
俺は
急いで出ていった
約束したんだ
花と
絶対
取ってくるよ

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