そこからは、宿を渡り歩きながら色々な所で働き、お金を稼いだ。
一応、武士という地位も持っていたから、何処かの大名に雇って貰えるのを待っていた。
でも、そんなチャンスは全然来ず、色々な所働くしか仕事はなかった。
月日はたち、ついに自分の家を買うことができた。
小さい家だが、一人で使うにはもったいないくらいの広さだった。
暇過ぎて、市場に行くことにした。
この日、市場に行って本当に良かったと思う。
なぜなら、そこで全てが変わったから。
いつも通り、夜ご飯の材料を買って帰っている最中、少し遠くで何か騒ぎが起きていた。
……泥棒か何かかな?
そう、他人事のように感じていた。
でも、その足音はどんどん近づいてきて、ついには僕の目の前に突っ込んできた。
小さな女の子は、不思議な服を着ていて、恐怖に怯えた顔をしていた。
そう言って女の子はどこかへ走って逃げてしまった。
何に怯えてるんだ?あの子は……あ、刀か?
すると、女の子は足を止め、僕の方を向いた。
そこから、僕の時間は進みだしたんだろう
その女の子は……
咲良に似ていた……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。