砂隠れの風影として、俺はこれまで様々な危機を乗り越えてきた。
だが今、俺の目の前には過去最大級の脅威が迫っている。
俺は真顔でリーを見た。
ふと、隣から聞こえた声。
見ると、あなたが俺をじっと見つめていた。
なぜか、その一言が喉に引っかかった。
俺はあなたのことを**「特別」**だと思ったことはない。……はずだ。
だが、なぜか言葉が出ない。
遠くから聞こえるネジとリーの声を無視し、俺はゆっくりと口を開いた。
あなたは相変わらず感情が読めない顔をしている。
唐突にリーがあなたの手を掴み、俺の方向へ押し出した。
お前は乗り気なのか?
あなたは静かに片手を上げた。
俺も渋々手を伸ばし――
リーが何を考えたのか、突然あなたの背中を押した。
結果――
ドスッ!!!
あなたの手ではなく、顔面が俺に直撃した。
辺りに沈黙が落ちる
俺がリーを抹殺しようとしたその時、小さな声が聞こえた。
見ると、あなたが顔を押さえている。
あなたは少しだけ顔を伏せた。
……なんだ、こいつ
俺は今まで、あなたがこんなふうに謝るのを見たことがなかった。
落ち着いていて、無口で、どこか他人に無関心なはずのあなたが――
妙に、気になる
ネジとリーが盛り上がっているのを横目に、俺は静かに溜め息をついた。
……これは、面倒なことになりそうだ
そう思いながらも、俺はあなたの手がまだ俺の腕に触れていることに気づき、
それを振り払わずにいた――。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。